後遺障害等級認定のメリットとデメリットとは?交通事故弁護士が解説

交通事故のケガをして一定期間治療を続けても完治しない場合、医師や保険会社から「後遺障害として等級認定を受けましょう」と言われる場合があります。
さて、この「後遺障害等級認定」とはどんな意味があるのでしょう?

ケガが治療しても完治せず後遺症が残った場合は、それを後遺障害として慰謝料等の賠償金を請求することができます。ただし単なる「後遺症」のままではだめで第三者機関から「後遺障害」として1級~14級の等級認定を受ける必要があります。

この記事では、後遺障害等級認定を受けるとどんなメリットがあるのか? 逆にデメリットはないのか?…等を、交通事故を専門とする弁護士の立場から詳しく解説しています。皆さまの疑問や不安を解消するために、ぜひ活用してください。

この記事を読むと…

・後遺障害等級認定のメリットとデメリットがわかります
・各等級の認定基準と慰謝料の相場がわかります
・後遺障害等級認定の流れがわかります
・等級認定で後悔しないためのポイントがわかります

後遺障害等級認定のご相談はいますぐ
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目次

後遺障害等級認定のメリット◯

交通事故の被害者が後遺障害等級の認定を受けるメリットは以下の3点です。

  • ◯後遺障害慰謝料が請求できる
  • ◯逸失利益が請求できる
  • ◯受け取る保険金を大幅に増額できる

それぞれ詳しく解説します。

◯後遺障害慰謝料が請求できる

後遺障害等級が認定されることのメリットとしてまずあげられるのは、等級に応じた慰謝料を請求できることです。これを後遺障害慰謝料と呼びます。

後遺障害の認定を受けない場合も、傷害慰謝料(入通院慰謝料)は請求できます。しかし、後遺障害慰謝料を請求できなければ、最終的に受け取る金額が大きく変わってきます。やはり、しっかりと後遺障害等級認定を受けることが重要です。

後遺障害慰謝料の金額は1級~14級の等級ごとに決まっています。ただし、保険会社と弁護士とでは金額を算定する際の基準が異なり、金額には大きな開きがあります。

後遺障害等級 自賠責保険基準※ 弁護士基準
1級(要介護) 1650万円 2800万円
1級 1150万円 2800万円
2級(要介護) 1203万円 2370万円
2級 998万円 2370万円
3級 861万円 1990万円
4級 737万円 1670万円
5級 618万円 1400万円
6級 512万円 1180万円
7級 419万円 1000万円
8級 331万円 830万円
9級 249万円 690万円
10級 190万円 550万円
11級 136万円 420万円
12級 94万円 290万円
13級 57万円 180万円
14級 32万円 110万円

※2020年4月1日以降に発生した事故に適用される基準

後遺障害慰謝料を算定する基準は「自賠責保険基準」「任意保険基準」「弁護士基準」の3つがあると言われています。

事故の相手側の保険会社は「任意保険基準」で後遺障害慰謝料を算定するわけですが、現在では各社独自の基準となっており、しかも一般には公開されていません。実情としては「自賠責基準」とほぼイコールの金額と考えても良いと感じています。

したがって、上の表からもわかるように、保険会社の提示する後遺障害慰謝料の金額と、弁護士が入った場合に支払われる金額では倍以上の差が出ることになります。

◯逸失利益が請求できる

「逸失利益」が請求できることも、後遺障害等級の認定を受ける大きなメリットです。
逸失利益とは、後遺障害が残ったことによって、以前と同じようには仕事ができなくなり減ってしまった今後の収入についての賠償です。

逸失利益は後遺障害の重さだけでなく、被害者の方の収入や年齢によって金額が変わってきます。具体的には次の計算式で計算します。

逸失利益の計算式

(基礎収入)×(労働能力喪失率)×(労働能力喪失期間によるライプニッツ係数)=(逸失利益)

ちょっと言葉は難しいですが、だいたい以下のようになっています。

後遺障害等級ごとの労働能力喪失率
(弁護士の基準)
1級 100%
2級 100%
3級 100%
4級 92%
5級 79%
6級 67%
7級 56%
8級 45%
9級 35%
10級 27%
11級 20%
12級 14%
13級 9%
14級 5%

詳しい計算方法については、こちらの記事でご確認ください。

逸失利益は将来(67歳まで)の収入減についての賠償金ですが、示談が成立したタイミングで一括で受け取ることになります。収入や年齢によっては慰謝料よりも高額になります。

◯受け取る保険金を大幅に増額できる

ここまで説明してきた通り、後遺障害等級の認定を受けることで「後遺障害慰謝料」「逸失利益」を請求できるようになります。これだけでも、被害者の方が保険会社から受け取る保険金は変わってきます。

そして、後遺障害等級の認定を受ける場合、弁護士に手続きを依頼することで受け取る保険金をさらに増額することができます。

後遺障害慰謝料の金額が保険会社の基準と弁護士基準では大きく違うことは先ほど説明したとおりです。しかし金額の差が出るのはそれだけではありません。
例えば傷害(入通院)慰謝料についても、保険会社の基準と弁護士の基準では大きな開きがあります。

さらにその他の項目についても、保険会社の提示額と弁護士が入って請求する金額では違いが出てきます。保険会社は利益を確保するためになるべく支払う保険金を抑えようとしますが、弁護士は過去の判例をもとに被害者が本来受け取るべき金額を主張します。
弁護士が入ることで、保険会社はようやく本来支払うべき保険金での示談をもちかけてくるのです。

ただ、後遺障害等級に該当しない軽傷の場合だと、弁護士に依頼するのはあまりメリットがないというのが正直なところです。
しかし後遺障害等級に認定されるほど重傷の場合は、弁護士が入った場合と保険会社に任せた場合の差が大きく、弁護士費用を差し引いたとしても、被害者の方が受け取る保険金は大幅に増額するケースがほとんどです。

後遺障害等級認定のデメリット✕

後遺障害等級の認定を受けることのデメリットについても考えて見ましょう。しいてあげるとすれば、以下の3点です。

  • ✕治療費や休業補償は打ち切りになる
  • ✕等級認定されないこともある
  • ✕手続きに時間と手間がかかる

それぞれ詳しく説明します。

✕治療費や休業損害は打ち切りになる

後遺障害等級の認定を受けるためには、ケガの治療を終了し「症状固定」とする必要があります。医師に後遺障害診断書を書いてもらい症状固定になると、それまで毎月保険会社から支払われていた治療費や休業損害は打ち切りとなります。

症状固定後の「休業損害」にあたる金額は「逸失利益」として支払われます。ただし、逸失利益は後遺障害等級が認定されて保険会社との示談が成立した後に一括で支払われるため、受け取れるのは半年以上先になります。つまり「症状固定」から「示談成立」までの期間(6〜10ヶ月)は収入が無い状態になります。

✕等級認定されない場合もある

後遺障害等級は申請したからと言って必ず認定されるわけではありません。認定されなかった場合は、後遺障害と認められず、後遺障害慰謝料や逸失利益などは請求できません。

後遺障害等級が認定されにくいのは主に以下のようなケースです。

▶通院期間が短い。通院回数が足りない

本人にしかわからない痛みや痺れを理由に後遺障害等級の認定を受けるためには、少なくとも半年以上、100回程度の通院をした実績が必要と言われています。通院期間や通院回数がこれより少ないと、後遺障害等級に認定されるのは難しくなります。
したがって、軽傷の場合は無理に後遺障害等級認定を申請するよりも、しっかり治療を行って完治させるほうが良いでしょう。

▶後遺障害診断書に不備がある

後遺障害等級は「後遺障害診断書」という医師が発行する書類をもとに認定されます。後遺障害診断書は通常の診断書とは異なり、書式や記載内容については規定のものがあります。
この書類に慣れていない医師も多く、記入漏れがあったり、記載内容が的を得ていないということがあります。そうした場合、後遺障害等級に認定されない、または低い等級になってしまうという結果になります。

▶必要な検査結果や資料が提出されていない

後遺障害等級の認定を受けるためには被害者本人の自覚症状を裏付けるものとして「医学的他覚所見」が必要になります。「医学的他覚所見」とは、理学的検査、神経学的検査、臨床検査、画像検査等により確認できる異常な所見のことです。
つまり、必要な検査結果が記載されていなかったり、レントゲンやCTやMRIなどの画像資料が足らなかったりすると、後遺障害等級に認定されないということです。

後遺障害診断書や画像資料に不備がないか、後遺障害等級が認定されうる内容になっているのかは、一般の方にはなかなか判断が難しいと思います。
かと言って、加害者側の保険会社に判断を委ねるのも賛成できません。保険会社としては後遺障害に認定されないほうが、支払う保険金が少なく済むという事情があります。

やはり交通事故と後遺障害に詳しい弁護士に相談いただくのが、いちばん良い結果に繋がります。

✕手続きに時間と手間がかかる

後遺障害等級の認定は、損害保険料率算出機構という第三者機関が行います。ここに医師が発行した後遺障害診断書をはじめとする書類を提出するのですが、すべてを揃えて内容を確認して提出するのは、かなりの時間と手間がかかります。

後遺障害等級認定に必要な書類(例)

・後遺障害診断書
・経過診断書
・日常生活報告書
・診療報酬明細書
・レントゲン、CT、MRI画像等
・保険金(損害賠償)支払請求書
・交通事故証明書
・事故発生状況報告書
・印鑑証明書
・休業損害証明書
・通院交通費明細書

ここにあげたのは必要書類の一例です。実際の症状や状況によっては、別の書類が必要になることも、逆に一部の書類が提出不要になることもあります。
いずれにしろ一般の方が個人で対応するのは難しいのではないでしょうか。

加害者側の保険会社はこの作業を無料で代行してくれるのですが、正直なところおすすめできません。
被害者の方からの依頼で、保険会社が用意した書類を確認してみると、信じられないような不備が見つかることがよくあります。後遺障害等級が認定されないほうが、保険金の支払いは少なく済むのですから、やはり熱心には対応していないのでしょう。

となると、弁護士に依頼していただくのがいちばん手間がかからず確実ということになります。弁護士は依頼者の方の後遺障害等級が認定されるように、できる限りの準備をします。なぜなら、被害者の方の利益は弁護士にとっての利益でもあるからです。ここが保険会社が行う準備作業とは大きく違う点です。

また最終的に最も有利な弁護士基準で賠償金を請求するためには、はやり弁護士に依頼する必要があります。であれば、後遺障害等級認定の段階から弁護士に相談いただくのが賢い方法だと思います。

後遺障害 各等級の認定基準と慰謝料

ではここからは、1級〜14級それぞれの後遺障害等級の認定基準を見ていきましょう。
それぞれの等級ごとに請求できる後遺障害慰謝料と逸失利益の計算のもとになる労働能力喪失率もあわせて紹介します。

後遺障害1級(要介護)の認定基準と慰謝料

身体の部分 後遺障害の内容
脳・神経 1級1号(要介護)神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し常に介護を要するもの
臓器 1級2号(要介護)胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、常に介護を要するもの

後遺障害1級(要介護)については、事故の後遺障害のためほとんど寝たきりで「常に介護が必要な状態」と判断された場合に認定されます。

自賠責保険の慰謝料額 1650万円
弁護士基準の慰謝料額 約3000万円
労働能力喪失率 100%

もちろん慰謝料は高額になります。そして労働能力喪失率は100%、すなわち全く働くことができない状態と判断されるので、逸失利益は将来見込まれる収入の100%をもとに計算されます。

また今後の治療や介護にかかる費用(将来治療費、将来介護費)も賠償金として請求できます。弁護士を入れてしっかり対応する必要があります。

後遺障害1級の認定基準と慰謝料

身体の部分 後遺障害の内容
1級1号 両眼が失明したもの
1級2号 咀嚼および言語の機能を廃したもの
1級3号 両上肢を肘関節以上で失ったもの
1級4号 両上肢の用を全廃したもの
1級5号 両下肢をひざ関節以上で失ったもの
1級6号 両下肢の用を全廃したもの

後遺障害1級は眼や口、両腕または両足に重大な障害が残る場合に認定されます。
例えば両眼が失明してしまった場合や、両足がまったく動かなくなってしまった場合などです。人としての活動が大きく制限される重い後遺障害と言えます。

自賠責保険の慰謝料額 1150万円
弁護士基準の慰謝料額 約3000万円
労働能力喪失率 100%

慰謝料は当然高額になります。そして特に後遺障害1級では、保険会社の基準と弁護士基準の金額で3倍近い差が出るので、弁護士を入れてしっかりと交渉する必要があります。

また就労することは不可能と判断されますので、逸失利益については労働能力喪失率100%で算出されます。

後遺障害2級(要介護)の認定基準と慰謝料

身体の部分 後遺障害の内容
脳・神経 2級1号(要介護)神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
臓器 2級2号(要介護)胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、随時介護を要するもの

後遺障害2級(要介護)については、脳や神経の障害、肺や消化器官の障害により「随時介護が必要な状態」と判断された場合に認定されます。例えば高次脳機能障害のために食事や用便などの生理現象のサポートに介護が必要な場合などがあげられます。

自賠責保険の慰謝料額 1203万円
弁護士基準の慰謝料額 約2370万円
労働能力喪失率 100%

後遺障害2級(要介護)では、後遺障害1級(要介護)と同様に、労働能力喪失率は100%、すなわち全く働くことができない状態と判断されるので、逸失利益は将来見込まれる収入の100%をもとに計算されます。
また、今後の治療や介護にかかる費用(将来治療費、将来介護費)も賠償金として請求できます。弁護士を入れてしっかり対応する必要があります。

後遺障害2級の認定基準と慰謝料

身体の部分 後遺障害の内容
2級1号 1眼が失明し、他眼の視力が0.02以下になったもの
2級2号 両眼の視力が0.02以下になったもの
2級3号 両上肢を手関節以上で失ったもの
2級4号 両下肢を足関節以上で失ったもの

後遺障害2級は眼もしくは、両腕または両足に重い障害が残る場合に認定されます。
1級よりもやや障害の程度が軽いと判断されますが、やはり人としての活動が大きく制限される極めて重い後遺障害と言えます。

自賠責保険の慰謝料額 998万円
弁護士基準の慰謝料額 約2400万円
労働能力喪失率 100%

後遺障害2級の場合も慰謝料は当然高額になりますので、弁護士を入れてしっかりと交渉する必要があります。
また、基本的に就労することは不可能と判断されますので、労働能力喪失率100%で逸失利益が算出されます。

後遺障害3級の認定基準と慰謝料

身体の部分 後遺障害の内容
3級1号 1眼が失明し、他眼の視力が0.06以下になったもの
3級2号 咀嚼又は言語の機能を廃したもの
脳・神経 3級3号 神経系統の機能または精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
臓器 3級4号 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、終身労務に服することが出来ないもの
3級5号 両手の手指の全部を失ったもの

後遺障害3級は上記のような後遺障害で認定されます。いずれも就労ができないほどの非常に重い障害といえます。
代表的な例としては、高次脳機能障害や脳・神経の損傷による体の麻痺で「生命維持に必要な身のまわり処理の動作は可能であるが、労務に服することができないもの」である場合(3級3号)があげられます。

自賠責保険の慰謝料額 861万円
弁護士基準の慰謝料額 約1990万円
労働能力喪失率 100%

後遺障害3級の慰謝料は上記のとおりです。弁護士を通じて請求した場合は弁護士基準で2000万円近い金額になります。
また、後遺障害3級も就労することは不可能と判断されます。したがって基本的に労働能力喪失率100%で逸失利益が算出されます。

後遺障害4級の認定基準と慰謝料

体の部分 後遺障害の内容
4級1号 両眼の視力が0.06以下になったもの
4級2号 咀嚼及び言語の機能に著しい障害を残すもの 
4級準用
 嚥下機能に著しい障害を残すもの
4級3号 両耳の聴力を全く失ったもの
4級4号 1上肢をひじ関節以上で失ったもの
手指 4級6号 両手の手指の全部の用を廃したもの
4級5号 1下肢をひざ関節以上で失ったもの 
4級7号
 両足をリスフラン関節以上で失ったもの

後遺障害4級は上記のような後遺障害で認定されます。実際のところ4級に該当するケースは少ないのですが、いずれにしても非常に重い障害だと言えます。

自賠責保険の慰謝料額737万円
弁護士基準の慰謝料額約1670万円
労働能力喪失率92%

後遺障害4級の慰謝料は上記のとおりです。弁護士を通じて請求した場合は約1670万円という金額になります。
逸失利益については労働能力喪失率92%で算出されます。

後遺障害5級の認定基準と慰謝料

体の部分 後遺障害の内容
5級1号 1眼が失明し、他眼の視力が0.1以下になったもの
脳・神経 5級2号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することが出来ないもの
臓器 5級3号 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することが出来ないもの
5級4号 1上肢を手関節以上で失ったもの
5級6号 1上肢の用を全廃したもの
5級5号 1下肢を足関節以上で失ったもの
5級7号 1下肢の用を全廃したもの
5級8号 両足の足指の全部を失ったもの

後遺障害5級は上記のような後遺障害で認定されます。いずれも非常に重い障害で、ごく軽めの仕事しかできないという状況になります。
代表的な例としては、高次脳機能障害や脳・神経の損傷による体の麻痺で「きわめて軽易な労務のほか服することができないもの」である場合(5級2号)があげられます。

自賠責保険の慰謝料額618万円
弁護士基準の慰謝料額約1400万円
労働能力喪失率79%

後遺障害5級の慰謝料は上記のとおりです。弁護士を通じて請求した場合は弁護士基準に基づいて約1400万円という金額になります。
また、後遺障害5級では就労することはできるものの、ごく軽い仕事しかできないと判断されます。したがって労働能力喪失率79%で逸失利益が算出されます。
賠償金が高額になりますので、弁護士を入れてしっかり対応する必要があります。

後遺障害6級の認定基準と慰謝料

体の部分 該当する後遺障害
6級1号 両眼の視力が0.1以下になったもの
6級2号 咀嚼又は言語の機能に著しい障害を残すもの
6級3号 両耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの
6級4号 1耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
背骨 6級5号 脊柱に著しい変形又は運動障害を残すもの
6級準用 荷重機能の障害について、その原因が明らかに認められる場合であって、そのために頸部及び腰部の両方の保持に困難があり、常に硬性補装具を必要とするもの
6級6号 1上肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの
6級7号 1下肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの
手指 6級8号 1手の5の手指又はおや指を含み4の手指を失ったもの

後遺障害6級は上記のような後遺障害で認定されます。いずれも重い障害で、仕事をするのに極めて大きな支障が出るといった状況になります。
代表的な例としては、腰椎や胸椎の圧迫骨折により2つ以上の骨が変形して後弯(こうわん)や側弯(そくわん)が生じた場合(6級5号)があげられます。

自賠責保険の慰謝料額512万円
弁護士基準の慰謝料額約1180万円
労働能力喪失率67%

後遺障害6級の慰謝料は上記のとおりです。弁護士を通じて請求した場合は弁護士基準に基づいて約1180万円という金額になります。
また、後遺障害6級では就労することはできるものの、軽い仕事しかできないと判断されます。したがって労働能力喪失率67%で逸失利益が算出されます。
賠償金は高額になりますので、弁護士を入れてしっかり対応する必要があります。

後遺障害7級の認定基準と慰謝料

体の部分 該当する後遺障害
7級1号 1眼が失明し、他眼の視力が0.6以下になったもの
7級2号 両耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
7級3号 1耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話し声を解することができない程度になったもの
脳および神経 7級4号 神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
臓器 7級5号 胸腹部臓器の機能に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
手指 7級6号 1手のおや指を含み3の手指を失ったもの又はおや指以外の4の手指を失ったもの
7級7号 1手の5の手指又はおや指を含み4の手指の用を廃したもの
7級9号 1上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
7級8号 1足をリスフラン関節以上で失ったもの
7級10号 1下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
外貌 7級12号 外貌に著しい醜状を残すもの
生殖器 7級13号 両側の睾丸を失ったもの

後遺障害7級は上記の後遺障害で認定されます。いずれも重い障害で、軽い仕事以外は難しいという状態です。
代表的な例としては、高次脳機能障害のため軽易な労務にしか服することができない場合(7級4号)や、顔に鶏の卵よりも大きな傷あとが残った場合(7級12号)などがあげられます。

自賠責保険の慰謝料額419万円
弁護士基準の慰謝料額約1000万円
労働能力喪失率56%

後遺障害7級の慰謝料は上記のとおりです。弁護士を通じて請求した場合は弁護士基準に基づいて約1000万円という金額になります。
また、後遺障害7級では就労することはできるものの、軽い仕事しかできないと判断されます。したがって労働能力喪失率56%で逸失利益が算出されます。
しっかりと弁護士を入れて対応することで、賠償金の増額が可能です。

後遺障害8級の認定基準と慰謝料

体の部分 該当する後遺障害
8級1号 1眼が失明し、又は1眼の視力が0.02以下になったもの
背骨 8級2号 脊柱に運動障害を残すもの
手指

8級3号 1手のおや指を含み2の手指を失ったもの又はおや指以外の3の手指を失ったもの
8級4号 1手のおや指を含み3の手指の用を廃したもの又はおや指以外の4の手指の用を廃したもの

8級5号 1下肢を5センチメートル以上短縮したもの
8級7号 1下肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの
8級9号 1下肢に偽関節を残すもの
8級10号 1足の足指の全部を失ったもの
8級6号 1上肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの
8級8号 1上肢に偽関節を残すもの

後遺障害8級は上記のような後遺障害で認定されます。
例えば腕の関節がほとんど曲がらなくなってしまったような場合(8級6号)が該当します。実際のところ単独で8級に該当するケースは少ないのですが、いずれにしても重い障害だと言えます。

自賠責保険の慰謝料額331万円
弁護士基準の慰謝料額約830万円
労働能力喪失率45%

後遺障害8級の慰謝料は上記のとおりです。弁護士を通じて請求した場合は弁護士基準に基づいて約830万円という金額になります。
また、後遺障害8級では就労することはできるものの、仕事をするには大きな支障がある状態とされています。したがって労働能力喪失率45%で逸失利益が算出されます。
しっかりと弁護士を入れて対応することで、賠償金の増額が可能です。

後遺障害9級の認定基準と慰謝料

体の部分 該当する後遺障害
9級1号 両眼の視力が0.6以下になったもの
9級2号 1眼の視力が0.06以下になったもの
9級3号 両眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの
9級4号 両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
9級5号 鼻を欠損し、その機能に著しい障害を残すもの
9級6号 咀嚼及び言語の機能に障害を残すもの
9級準用 嚥下機能に障害を残すもの
9級7号 両耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
9級8号 1耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になり、他耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話し声を解することが困難である程度になったもの
9級9号 1耳の聴力を全く失ったもの
脳および神経 9級10号 神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
臓器 9級11号 胸腹部臓器の機能に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
手の指 9級12号 1手のおや指又はおや指以外の2の手指を失ったもの
9級13号 1手のおや指を含み2の手指の用を廃したもの又はおや指以外の3の手指の用を廃したもの
9級準用 拇指延長術を行なったもの
足の指 9級14号 1足の第1の足指を含み2以上の足指を失ったもの
9級15号 1足の足指の全部の用を廃したもの
顔の傷 9級16号 外貌に相当程度の醜状を残すもの
生殖器 9級17号 生殖器に著しい障害を残すもの

後遺障害9級は上記のような後遺障害で認定されます。
幅広い障害が該当しますが代表的なものとしては、高次脳機能障害や脊髄の障害で「通常の労務に服することはできるが、社会通念上その就労可能な職種の範囲が相当な程度に制限されるもの」があげられます(9級10号)。
また顔に5センチ以上の線状の傷あとが残った場合(9級16号)も9級に該当します。

自賠責保険の慰謝料額249万円
弁護士基準の慰謝料額約690万円
労働能力喪失率35%

後遺障害9級の慰謝料は上記のとおりです。弁護士を通じて請求した場合は弁護士基準に基づいて約690万円という金額になります。また、後遺障害9級では労働能力喪失率35%で逸失利益が計算されるのが基本ですが、それぞれの状況によって実際の計算は異なります。
しっかりと弁護士を入れて対応することで、賠償金の増額が可能です。

後遺障害10級の認定基準と慰謝料

体の部分 該当する後遺障害
10級1号 1眼の視力が0.1以下になったもの
10級2号 正面を見た場合に複視の症状を残すもの
10級3号 咀嚼又は言語の機能に障害を残すもの
10級4号 14歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
10級準用 嚥下機能に障害を残すもの
10級5号 両耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話し声を解することが困難である程度になったもの
10級6号 1耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの
手の指 10級7号 1手のおや指又はおや指以外の2の手指の用を廃したもの
10級8号 1下肢を3センチメートル以上短縮したもの
足の指 10級9号 1足の第1の足指又は他の4の足指を失ったもの
腕の関節 10級10号 1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの
足の関節 10級11号 1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの

後遺障害10級は上記のような後遺障害で認定されます。
代表的なものとしては、肩・ひじ・手首・股関節・ひざ・足首の可動域制限があげられます(10級10号、10級11号)。これは障害のある関節の可動域が、健康な方とくらべて2分の1以下の場合に認められます。

自賠責保険の慰謝料額190万円
弁護士基準の慰謝料額約550万円
労働能力喪失率27%

後遺障害10級の慰謝料は上記のとおりです。弁護士を通じて請求した場合は弁護士基準に基づいて約550万円という金額になります。
また、後遺障害10級では労働能力喪失率27%で逸失利益が計算されるのが基本ですが、それぞれの状況によって実際の計算は異なります。
しっかりと弁護士を入れて対応することで、賠償金の増額が可能です。

後遺障害11級の認定基準と慰謝料

体の部分 該当する後遺障害
11級1号 両眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
11級2号 両眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
11級3号 1眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
11級4号 10歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
11級5号 両耳の聴力が1メートル以上の距離では小声を解することができない程度になったもの
11級6号 1耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話し声を解することができない程度になったもの
脊柱(背骨) 11級7号 脊柱に変形を残すもの
手の指 11級8号 1手のひとさし指、なか指又はくすり指を失ったもの
足の指 11級9号 足の第1の足指を含み2以上の足指の用を廃したもの
臓器(内蔵) 11級10号  胸腹部臓器の機能に障害を残し、労務の遂行に相当な程度の支障があるもの

後遺障害11級は上記のような後遺障害で認定されます。
代表的なものとしては、背骨の変形(11級7号)があげられます。これは胸椎圧迫骨折や腰椎圧迫骨折の後遺症で背骨の一部に変形が見られる場合が該当します。

自賠責保険の慰謝料額136万円
弁護士基準の慰謝料額約420万円
労働能力喪失率20%

後遺障害11級の慰謝料は上記のとおりです。弁護士を通じて請求した場合は弁護士基準に基づいて約420万円という金額になります。
また、後遺障害11級では労働能力喪失率20%で逸失利益が計算されるのが基本ですが、それぞれの状況によって実際の計算は異なります。
しっかりと弁護士を入れて対応することで、賠償金の増額が可能です。

後遺障害12級の認定基準と慰謝料

体の部分 該当する後遺障害
12級1号 一眼の眼球に著しい調整機能障害又は運動障害を残すもの。
12級2号 一眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
12級3号 7歯以上に対し歯科補てつを加えたもの
12級4号 一耳の耳殻の大部分を欠損したもの
体の体幹骨 12級5号 鎖骨、胸骨、ろく骨、けんこう骨又は骨盤骨に著しい変形を残すもの
12級8号 長管骨に変形を残すもの
腕・指 12級6号 一上肢の三大関節中の一関節に機能の障害を残すもの
12級9号 一手の小指を失ったもの
12級10号 1手の人差し指、中指又は薬指の用を廃したもの
12級7号 一下肢の三大関節中の一関節に機能の障害を残すもの
12級11号 1足の第2の足指を失ったもの、第2の足指を含み2の足指を失ったもの又は第3の足指以下の3の足指を失ったもの
12級12号 1足の第1の足指又は他の4の足指の用を廃したもの
痛み 12級13号 局部に頑固な神経症状を残すもの
顔のキズ 12級14号 外貌に醜状を残すもの

後遺障害12級は上記のような後遺障害で認定されます。代表的なものとしては以下があげられます。

  • 鎖骨が骨折の影響で変形した場合(12級5号)
  • 肩・ひじ・手首・股関節・ひざ・足首の可動域が4分の3に制限(12級6号、12級7号)
  • レントゲン等の画像で原因が確認できる痛み(12級13号)
  • 顔に10円玉大、または3センチ以上の線状の傷あと(12級14号)
自賠責保険の慰謝料額94万円
弁護士基準の慰謝料額約290万円
労働能力喪失率14%

後遺障害12級の慰謝料は上記のとおりです。弁護士を通じて請求した場合は弁護士基準に基づいて約290万円という金額になります。

また、労働能力喪失率14%で逸失利益が計算されるのが基本ですが、それぞれの状況によって実際の計算は異なります。
しっかりと弁護士を入れて対応することで、賠償金の増額が可能です。

後遺障害13級の認定基準と慰謝料

体の部分 該当する後遺障害
13級1号 一眼の視力が0.6以下になったもの
13級2号 正面以外を見た場合に複視の症状を残すもの
13級3号 1眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの
12級4号 両眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの
13級5号 5歯以上に対し歯科補てつを加えたもの
腕・指 13級6号 一手の小指の用を廃したもの
13級7号 一手のおや指の指骨の一部を失ったもの
13級8号 一下肢を1センチメートル以上短縮したもの
13級9号 一足の第3の足指以下の1又は2の足指を失ったもの
13級10号 一足の第2の足指の用を廃したもの、第2の足指を含み2の足指の用を廃したもの又は第3の足指以下の3の足指の用を廃したもの
臓器(内蔵) 13級11号 胸腹部臓器の機能に障害を残すもの

後遺障害13級は上記のような後遺障害で認定されます。

自賠責保険の慰謝料額57万円
弁護士基準の慰謝料額約180万円
労働能力喪失率9%

後遺障害13級の慰謝料は上記のとおりです。弁護士を通じて請求した場合は弁護士基準に基づいて約180万円という金額になります。
また、労働能力喪失率9%で逸失利益が計算されるのが基本ですが、それぞれの状況によって実際の計算は異なります。

後遺障害14級の認定基準と慰謝料

体の部分 該当する後遺障害
14級1号 眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの
14級2号 三歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
14級3号 一耳の聴力が一メートル以上の距離では小声を解することができない程度になったもの
腕・手 14級4号 上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
14級6号 一手のおや指以外の手指の指骨の一部を失ったもの
14級7号 一手のおや指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの
14級5号 下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
痛み 14級9号 局部に神経症状を残すもの

後遺障害14級は上記のような後遺障害で認定されます。

自賠責保険の慰謝料額32万円
弁護士基準の慰謝料額約110万円
労働能力喪失率5%

後遺障害14級の慰謝料は上記のとおりです。弁護士を通じて請求した場合は弁護士基準に基づいて約110万円という金額になります。
また、労働能力喪失率5%で逸失利益が計算されるのが基本ですが、それぞれの状況によって実際の計算は異なります。

後遺障害等級認定の流れ

後遺障害等級の認定は交通事故の慰謝料・保険金を受け取る手続きの一部です。弁護士が入った場合の手続きの流れは以下のようになります。

①事故発生

交通事故が起きると、警察および事故を起こした加害者が加入している任意保険や共済に連絡が入ります。

②治療(入院・通院)

けがをした被害者は病院に入院、または通院して治療を行います。治療費は保険会社から支払われます。ここで完治した場合は後遺障害には該当しませせん。後遺障害に認定されるのは治療期間がおよそ半年以上のけがになります。

③症状固定

6ヶ月以上の治療を行っても完治しない場合は「症状固定」として後遺障害認定の手続きに入ります。症状固定の時期は医師が判断し、後遺障害診断書を発行します。

④等級認定

後遺障害診断書、それまでの治療経過、弁護士の意見書などをもとに、1級〜14級の後遺障害等級の認定が行われます。申請から結果がでるまで約3ヶ月、場合によっては6ヶ月ほどかかります。

⑤示談交渉

等級の結果が出てから任意保険会社との慰謝料・保険金の話が始まります。まずは弁護士による精査を経て、交渉の元となるたたき台を作り、任意保険会社に提示します。これから2~3ヶ月ほどの交渉を経て、実際に示談となることが多いです。

⑥示談成立

保険会社との交渉を経て、納得のいく保険金が出れば示談成立となります。

ただ、どうしても納得できない場合は裁判をすることになりま す。実際に裁判ということになると、1年以上の期間がかかってしまいます。


Q. 後遺障害等級認定はいつ、どこで申請するのですか?

後遺障害等級認定の申請は、「症状固定」となった後に行います。ケガの内容にもよりますが、事故からおよそ6ヶ月〜18ヶ月が経過した頃になります。

後遺障害等級の認定を行うのは各地の損害保険料率算出機構という機関です。ここに医師が発行した後遺障害診断書をはじめとする書類を提出するのですが、すべてを揃えて内容を確認して提出するのは、かなりの時間と手間がかかります。

実際には加害者側の保険会社を通じて、または被害者側の弁護士を通じて手続きが行われることが大半です。

Q.症状固定とは何ですか?

ケガの治療がある程度進んで「もうこれ以上は治療を続けても症状があまり改善しない」と医師が判断することを「症状固定」といいます。具体的には「後遺障害診断書」を医師に発行してもらうことを指します。

症状固定となったらけがの治療は終了となり、以降は後遺障害として扱うことになります。後遺障害慰謝料や逸失利益を賠償金として受け取るためには、必ず症状固定とする必要があります。

Q.後遺障害診断書とはどういうものですか?

後遺障害診断書は後遺障害等級の認定のために医師に書いてもらうもので、一般的な診断書とは異なります。A3サイズで書式が決まっており、その用紙は保険会社もしくは弁護士から入手できます(病院には置いてありません)。これを担当の医師のところへ持っていき、後遺障害診断書の発行を依頼します。

診断書作成料として1通につき5千円から1万円ほどかかります。作成にかかる期間は10日から2週間ほどです。その場で書いてもらうことはできませんので、余裕を持って依頼しましょう。

①被害者の個人情報

氏名や性別、生年月日、住所、職業を記入。年齢や職業が空欄でも等級認定に大きな影響はありません。

②受傷日時

交通事故に遭って負傷をした日時を記入。

③症状固定日

症状固定日を記入。症状固定日とは、医師が治療の終了を患者に伝えた日のことをいいます。

④当院入院期間、当院通院期間

後遺障害診断書を書く医師が所属する病院での入通院期間を書きます。転院した場合は、原則として転院前の入通院した期間は書きません。

⑤傷病名

交通事故で負傷し、症状固定日時も残っている傷病名を記入。

⑥既存障害

既存障害とは、事故に遭う前から持っていた障害のことを指します。被害者からのヒアリングや、過去の通院歴などから記入。

⑦自覚症状

被害者本人が訴える症状を書きます。後遺障害の等級認定に関わるところですので、どこの部分がどのような痛みなのか、日常生活にどう影響するのかなどを医師に対して具体的に伝えましょう。そのためには、事前にメモを取っておくことをおすすめします。また、他覚症状の項目にまとめて自覚症状を書く医師もいますが、問題はないようです。

⑧各部位の後遺障害の内容

具体的な後遺障害の内容を記載します。特にレントゲンやMRIといった画像に映った異常は、後遺障害の等級認定に大きく関わる客観的な証拠ともなりますので、しっかり記入されているか確認しましょう。

⑨障害内容の増悪・緩解の見通しなど

後遺症について、増悪や緩解、軽減、不変など今後の見通しを書きます。医学の専門家である医師からの見解として後遺障害の等級認定に大きく影響するところですので、「他覚症状および検査結果」の項目と同様、医師が書いた診断書の要チェックの項目です。

後遺障害等級認定の手続き

後遺障害の認定を受けるには「事前認定」と「被害者請求」という2つの申請方法があります。「事前認定」は交通事故の加害者が入っている保険会社に申請手続きしてもらう方法です。「被害者請求」とは被害者側が弁護士などを通じて申請の手続きをすることをいいます。

保険会社による手続き(事前認定)

「事前認定」では、すべての手続きを加害者側の保険会社が行います。被害者としては、手間がかからないことがメリットといえるでしょう。

しかし保険会社は、それほど熱心に申請手続きしてくれるわけではありません。認定に必要な資料が十分でないことも多く、等級が低く認定されてしまうケース、等級が認定されないケースもあります。

弁護士による手続き(被害者請求)

「被害者請求」はすべての手続きを被害者側が行うため、納得のいく結果を得やすいというメリットがあります。

しかしそのためには、申請書類をどう書いたらいいのか、どのような資料をそろえたらいいのか、といったさまざまなノウハウが必要になります。そのため、交通事故に精通した弁護士など、法律のプロに被害者請求の代行を依頼するのが一般的です。

異議申し立てについて

後遺障害等級認定の結果に納得がいかない場合、損害保険料率算出機構に書面で等級認定の再審査を求めることができます。「異議申し立て」と呼ばれる手続きです。

ただし、異議申し立てをしても等級変更が認められる確率は決して高くありません。損害保険料率算出機構が公表している資料にると5パーセント程度です。

しかも異議申し立ての結果が出るまでには、概ね3ヶ月以上の時間がかかります。すでに最初の等級認定までに3〜6ヶ月の時間がかかっているわけですから、それだけの時間をかけて等級変更が認められなかった場合、被害者の方は大きなダメージを受けることになります。

以上の理由から、むやみに異議申し立てをすることはおすすめできません。提出された資料に明らかな間違いや不足がある等、後遺障害等級認定の結果を覆す明確な事由がある場合のみ、異議申し立て手続きを検討するべきと考えています。

後遺障害等級認定で後悔しないためのポイント

最後に後遺障害等級認定で後悔しないためのポイントを4つ紹介します。

①早めに必要な検査やレントゲン撮影を行っておく

重傷の場合はもちろん治療が優先ですが、たとえ軽傷の場合でも交通事故の当日または翌日には整形外科等の医療機関を必ず受診してください。

最初は痛みを感じなかったのに、時間がたつと痛みが出るというケースも多々あります。手足の骨折に気をとられて、頭部に深刻なダメージを受けていたことに後から気がつくというようなこともあるのです。

時間が経ってからの検査では事故との関連が証明できない場合があるので、できるだけ事故直後に各種検査をうけ、負傷した可能性のある部分に応じてレントゲン、CT、MRIなどの画像を撮影しておくことが重要です。

②しっかりと通院して医師としっかりコミュニケーションをとる

後遺障害等級の認定を受けるようなけがの場合、少なくとも6ヶ月間の通院治療が必要になります。整骨院や接骨院に通うのは通院とは認められないので、医師のいる医療機関に通院することが重要です。

また後遺障害等級の認定では、担当の医師が書く後遺障害診断書の内容が非常に重要になります。診察時に無理して「だいぶ良くなりました」などと伝えてしまうと、診断書にそれが記載されてしまって、後遺障害等級が取れないということになってしまいます。

普段の通院時から医師としっかりコミュニケーションをとり、自分の症状を正しく伝えるようにしてください。

③保険会社のアドバイスを鵜呑みにしない

加害者側の保険会社の担当者は、実は感じの良い人が多いのです。被害者の方の味方のように見えるかもしれません。何度か話をするうちに、情がうつってしまう…ということもあるようです。
しかし、そもそも保険会社も営利企業だということを忘れないでください。利益を確保するために支払う保険金・賠償金をなるべく少なく抑えたいというのが本音なのです。被害者の方とは利害が対立しています。

症状固定の時期や後遺障害診断書などの提出書類について疑問を感じたら、交通事故を専門とする弁護士にぜひご相談ください。

④交通事故を専門とする弁護士に依頼する

自分や家族が交通事故の被害者になるというのは、ほとんどの方の人生で初めてのことだと思います。ケガの治療だけでも大変なのに、後遺障害等級の認定を受けるためにはさまざまな手続きが必要になり、げんなりしてしまうという話をよく聞きます。

そこで、思い切って弁護士に相談いただくことで、被害者の方の負担は大きく軽減されます。
交通事故を専門に扱う弁護士は、文字通り交通事故のプロです。蓄積された経験にもとづき、被害者の方にとって最善の方法を判断できるうえに、後遺障害等級認定の申請や、保険会社とのやりとりはすべて任せることができます。そしてなにより弁護士基準で保険金を請求できるので最終的に受け取っていただける金額は大幅に増額することがほとんどです。

もちろん所定の弁護士費用はかかりますが、アズール法律事務所では保険会社からの賠償金取得後に費用をいただく成功報酬制です。弁護士費用は増額した保険金の一部で充分まかなえるので、被害者の方の自己負担はありません。

ご相談については無料で受け付けていますので、まずはお気軽にご連絡ください。