交通事故による骨折|慰謝料はいくらもらえる?

交通事故のケガで骨折してしまったら、相手側の保険会社に治療費だけではなく、慰謝料などの賠償金を請求することができます。
骨折にはさまざまな種類がありますが、いずれの場合も、交通事故でつらい思いをした被害者の方は最大限の慰謝料を受け取るべきです。しかし保険会社は必ずしも正当な慰謝料を支払っていないのが現実です。

では、慰謝料などの金額は、どのようにして決まるのか?
骨折した場合の慰謝料の相場はどれくらいなのか?
正当な金額を受け取るためにはどうしたら良いのか?
この記事ではこうした問題について、交通事故を専門的に扱う弁護士の立場から、なるべくわかりやすく解説します。

この記事を読むと…
・交通事故による骨折の慰謝料の相場がわかる
・骨折の慰謝料などの計算方法がわかる
・慰謝料・賠償金を増額する方法がわかる

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骨折の慰謝料・賠償金の相場

交通事故で骨折した場合に受け取れる正当な慰謝料などの賠償金はどれくらいでしょう?
もちろん個々の状況により金額は変わってくるのですが、ここでは目安としてアズール法律事務所で扱った事例をいくつかご紹介します。

  骨折の種類 後遺障害等級 後遺障害慰謝料 賠償金総額
ケース1 腰椎圧迫骨折 11級7号 420万円 約1380万円
ケース2 鎖骨骨折 12級5号 290万円 約1230万円
ケース3 手首の骨折 10級10号 690万円 約3000万円
ケース4 手親指 開放骨折 10級7号 550万円 約3650万円
ケース5 大腿骨折 10級11号 550万円 約2100万円
ケース6 足首骨折 10級11号 690万円 約2300万円
ケース7 すね骨折 12級7号 290万円 約1360万円
ケース8 頭蓋骨骨折 5級2号 1400万円 約6200万円


ただ、注意していただきたいのは、これらはすべて弁護士が入って相手側の保険会社と交渉して獲得できた金額だということです。弁護士を入れずに保険会社に任せてしまうと、この半分以下の金額になることもありえます。

また、上に挙げたのは、いずれもケガによる後遺障害が認められたケースです。ほとんど後遺症が残らずに治癒した場合にはこれほどの金額にはなりません。

骨折が完治した場合の賠償金

交通事故による骨折が治療によって完治した場合(または後遺症があっても後遺障害等級に認定されなかった場合)は、実際にかかった治療費や入院費などに加えて、休業損害、傷害慰謝料(入通院慰謝料)を賠償金として請求することができます。

完治した場合に請求できる賠償金
・治療費
・入院雑費
・通院交通費
・休業損害
・傷害(入通院)慰謝料

骨折の後遺症が残った場合の賠償金

交通事故による骨折が治療しても完治せずに、後遺障害と認められた場合は、実際にかかった治療費や入院費などに加えて、休業損害、傷害慰謝料(入通院慰謝料)、後遺障害慰謝料、逸失利益、将来治療費などを賠償金として請求することができます。

後遺障害が認められた場合に請求できる賠償金
・治療費
・入院雑費
・通院交通費
・休業損害
・傷害(入通院)慰謝料
・後遺障害慰謝料
・逸失利益
・将来治療費など

骨折の慰謝料・賠償金の計算方法

弁護士基準と保険会社の基準

慰謝料などの計算の前に知っておいていただきたいのは、弁護士と保険会社では計算に使う「基準」が違うということです。

弁護士は被害者の方が本来受け取るべき金額を基準としています。それに対して、保険会社ではなるべく最低限となる金額を基準とします。
そのため、弁護士が入った場合と保険会社に任せた場合では、最終的に受け取る金額に倍以上の差が出ることも珍しくありません。

障害(入通院)慰謝料の計算方法

障害慰謝料(入通院慰謝料とも呼ばれます)は入院、通院した日数をもとに計算します。

自賠責保険の基準では、入通院1日あたり4,300円です。これに実治療日数×2、または治療期間(事故日から症状固定日まで)の少ないほうを掛けた金額が入通院慰謝料額となります。治療期間を30日で計算すると、129,000円となります。

任意保険の基準は公開されていませんが、ほぼ自賠責保険の基準に近い金額が提示されることが多いようです。

弁護士の基準では、入院期間と通院期間で金額が異なります。細かい説明は省略しますが、入院1ヶ月につき約50万円・通院1ヶ月につき約25万円となります(実際の金額は赤い本の入通院慰謝料表(別表1)によります)。

後遺障害慰謝料の計算方法

骨折の後遺症が残ってしまった場合に請求できる「後遺障害慰謝料」の額については、認定された「後遺障害等級」に応じて慰謝料の基準額がそれぞれ設けられています。まずは等級が決まらないと、後遺障害慰謝料の金額の目安もわからないということになります。

後遺障害等級ごとの慰謝料の目安

自賠責保険基準と弁護士基準の後遺障害慰謝料の相場は下の表のとおりです。なお、「任意保険の基準」は非公開ですが、自賠責保険に近い金額であることが実情のようです。

後遺障害等級 自賠責保険基準 弁護士基準
1級(要介護) 1650万円 2800万円
1級 1150万円 2800万円
2級(要介護) 1203万円 2370万円
2級 998万円 2370万円
3級 861万円 1990万円
4級 737万円 1670万円
5級 618万円 1400万円
6級 512万円 1180万円
7級 419万円 1000万円
8級 331万円 830万円
9級 249万円 690万円
10級 190万円 550万円
11級 136万円 420万円
12級 94万円 290万円
13級 57万円 180万円
14級 32万円 110万円 

後遺障害逸失利益の計算方法

骨折の後遺症によって後遺障害等級が認定されると、後遺症によって減ってしまう将来の収入を「逸失利益」として請求できます。

「逸失利益」として請求できる金額は、ざっくり言うと「減ってしまった収入額」×「働けるはずだった期間」です。実際はもう少し複雑で下記の式によって計算されます。

逸失利益の計算式

①基礎収入 × ②労働能力喪失率 × ④ライプニッツ係数(③労働能力喪失期間による)


詳しい説明は別ページにまとめたので、参考にしてください。

とはいえ、しっかり逸失利益の掲載を理解して保険会社と交渉することは、一般の被害者の方にとってはなかなか難しいと思います。具体的なアドバイスが必要であれば、交通事故に詳しい弁護士にご相談ください。

その他の賠償金について

交通事故で骨折した場合に、賠償金として請求できるその他の費用については以下のものがあります。

項目 内容
治療費 入院費用を含め、直接保険会社から実費が病院に支払われます。
コルセット・松葉杖・車椅子代など 実費を請求可能です。
休業損害 休業した日数分の金額が毎月支払われます。
交通費 通院のための交通費は実費が支払われます。タクシー代や付き添いのための交通費は交渉により認められる場合があります。


しかし、相手側の保険会社からこれらの費用が満足に支払われないという話を、被害者の方からたびたび耳にします。弁護士が交渉することで、支払いに応じるケースも多いので、疑問を感じたらぜひ一度ご相談ください。

交通事故での骨折と後遺障害等級

交通事故でよく見られる骨折について、どの後遺障害等級に該当するのか見てみましょう。

背骨(頚椎、胸椎、腰椎)の圧迫骨折

腰椎や胸椎の圧迫骨折は、交通事故での被害によく見られる骨折のひとつです。強い衝撃で背骨が押しつぶされる骨折ですので、なかなか完治することが難しく、後遺症が残ってしまうことが多い骨折でもあります。

交通事故による圧迫骨折の場合、大部分は「11級7号」という後遺障害等級に該当します。さらに重い後遺症の場合には8級や6級という後遺障害等級に認定されることもあります。
それぞれの等級に該当する後遺障害は以下のように定められています。

背骨の変形障害
11級7号 脊柱に変形を残すもの
8級相当 脊柱に中程度の変形を残すもの
6級5号 脊柱に著しい変形を残すもの
背骨の運動障害
8級2号 脊柱に運動障害を残すもの
6級5号 脊柱に著しい運動障害を残すもの

鎖骨の骨折

鎖骨は体の前面にあり、胸骨と肩をつないでいる骨です。そのため、バイクや自転車での交通事故で路面に肩を強く打ちつけると、鎖骨が折れてしまいます。
鎖骨の中でも肩に近い部分(遠位端)を骨折すると、腕が動かなくなったり、動かせる範囲が狭まったりといった後遺障害が残ってしまうことがあります。

変形障害

鎖骨骨折で変形障害が残った場合は、後遺障害12等級「鎖骨に著しい変形を残すもの」に認定されます。認定の条件としては、外見から変形がはっきり分からなければなりません。

12級5号 鎖骨、胸骨、ろく骨、けんこう骨又は骨盤骨に著しい変形を残すもの
機能障害

鎖骨骨折により、肩の動きに障害(機能障害)が残った場合には、その度合いによって8級、10級、12級のいずれかに認定されます。肩が全く動かないか、健康なほうの肩と比べて可動範囲が10%以下なら8級、半分以下なら10級、3/4以下なら12級となります。

8級6号 1上肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの(肩が全く動かないか、健康なほうの肩と比べて可動範囲が10%以下)
10級10号 1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの(健康なほうの肩と比べて可動範囲が半分以下)
12級6号 1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの(健康なほうの肩と比べて可動範囲が3/4以下)
神経障害

痛みが残ってしまった神経障害は、12級か14級に認定されます。MRI画像などで痛みを客観的に証明できる場合は12級、画像はなくとも事故の状況や通院の状況などから「痛みが残っているだろう」と判断できる場合は14級となります。

12級13号 局部に頑固な神経症状を残すもの
14級9号 局部に神経症状を残すもの

太腿(股関節)の骨折:人工骨頭置換

骨盤と大腿骨を繋いでいる股関節の骨頭は、軟骨などで覆われて骨盤の中にはまり込んでいます。そのため、大腿骨の脱臼や骨折をすると血流障害による壊死が生じやすいと言われています。壊死した骨頭に体重がかかると潰れて変形し、激しい痛みが出るようになります。そのため人工骨頭への置換手術が必要になります。

人工骨頭置換術を受けると「関節の機能に著しい障害がある」と見なされて、後遺障害10級に認定されます。さらにその関節の可動域が健康な関節の半分以下になると「関節の機能が失われた」と見なされ、後遺障害8級となります。

しかし医療技術と素材の進歩によって、人工関節を入れても健康な関節の半分しか動かないといったケースは、あまりないといわれています。ただ、実際に動かないことを認められて8級を取得したケースもありますので、まずは詳しい弁護士に相談してみてください。

8級7号 片足の股関節・ひざ・足首のうち、どれか1関節の機能が失われた
10級11号 片足の股関節・ひざ・足首のうち、どれか1関節が機能に著しい障害がある

足首・すねの骨折

足首の関節はいくつもの骨や腱が組み合わさっています。そのためバイク事故などで足首を骨折すると、骨折自体は治っても周囲の骨や腱に癒着が生じることがあり、関節の動きが制限されたり、痛みが出るなどの後遺症が生じる場合があります。

足のすねには、ひざから足首にかけて2本の長い骨があります。脛骨(けいこつ)と腓骨(ひこつ)と呼ばれます。これらの骨を骨折した場合、ひざや足首の関節が動きづらくなったり、痛みが残ったりといった後遺症が生じる場合があります。

ひざや足首の関節が健康な方の足と比べて半分以下しか動かない場合は「関節の機能に著しい障害と残すもの」として10級11号に認定される可能性があります。
ひざや足首の関節が健康な方の足と比べて4分の3以下しか動かない場合は「関節の機能に障害と残すもの」として12級7号に認定される可能性があります。
関節の痛みが消えない場合は「神経症状を残すもの」として14級9号に認定される可能性があります。

10級11号 1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの
12級7号 1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの
14級9号 局部に神経症状を残すもの

頭蓋骨骨折

交通事故で頭を強く打つと頭蓋骨を骨折する場合があります。この場合の後遺症として問題となるのは、骨折そのものよりも高次脳機能障害や遷延性意識障害などの脳に関する後遺症です。
脳に関する後遺症は、その程度によって1級〜9級の後遺障害等級が認定される可能性があります。

1級1号
(要介護)
神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
2級1号
(要介護)
神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
3級3号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
5級2号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
7級4号 神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
9級10号 神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの

後遺障害等級の併合

複数の骨折による後遺障害が残った場合、併合のルールに従い最終的に1つの等級が決まることになります。併合のルールは、以下の表を参考にしてください。

た存在する後遺障害 併合の結果
5級以上の後遺障害に2つ以上該当 →重い方の等級を3つ繰り上げ
8級以上の後遺障害に2つ以上該当 →重い方の等級を2つ繰り上げ
13級以上の後遺障害に2つ以上該当 →重い方の等級を1つ繰り上げ
14級の後遺障害に2つ以上該当 →14級のまま
それ以外 →最も高い等級を後遺障害等級とする

正当な慰謝料・賠償金を受け取る方法

慰謝料・賠償金を受け取るまでの流れ

交通事故の被害で骨折し、後遺障害が生じた場合の流れを簡単にまとめたのが下の図になります。

「事故発生」から半年~1年半ほどの「治療」を行ったうえで「これ以上の回復は見込めない」と医師が判断することを「症状固定」といいます。
その後、担当の医師が発行した後遺障害診断書とそれまでの治療経過、弁護士の意見書などを揃えて、後遺障害等級認定の申請を行います。申請から結果が出るまで、おおよそ3~6ヶ月程度かかります。

後遺障害等級が認定されたら、最終的な慰謝料などの金額について保険会社と「示談交渉」を行います。納得できる金額の提示があれば示談成立となりますが、どうしても納得できない場合は裁判をすることになります。
こうして賠償金額が決定して、ようやくお金が被害者の方の手元に届くことになります。

正当な慰謝料・賠償金を受け取るために重要なのは、等級認定でできるだけ高い等級に認定されること。そしてその等級をもとに相手側の保険会社と論理的に根拠をもって交渉することの2つです。

骨折の等級認定

後遺障害等級の認定審査はすべて書類で行われます。したがって、後遺症が存在する証拠となる書類を、しっかりと漏れなく揃えて提出しないと後遺障害等級は認定してもらえません。
正しく書かれた後遺障害診断書はもちろん、事故直後と症状固定時のレントゲンやMRI撮影の画像、経過診断書、医師の意見書など提出すべき書類は多岐に渡ります。

保険会社に等級認定を任せた場合、こうした書類の準備や確認が十分でない場合が多く見られます。
なぜ、そんなことが起こるのでしょう? 等級が認定されない方が保険会社としては支払う賠償金が少なくて済むので、そうなるのも無理がないと言えるかもしれません。

一方、弁護士に等級認定の手続きなどを依頼した場合、経験のある弁護士であれば、書類の準備には万全を期します。おのずと高い等級に認定される確率は高くなります。

骨折の示談交渉

後遺障害等級が認定されても、自動的に正当な慰謝料などの賠償金が支払われるわけではありません。相手側の保険会社は何かと理由をつけて、できるだけ低い金額で示談しようとしてきます。
それを覆してなるべく多くの慰謝料・賠償金を受け取るためには、保険会社の提示する金額とその根拠について、過去の裁判例などをもとに的確な交渉をしつこいくらいに行う必要があります。

後遺障害慰謝料については、弁護士が交渉すれば弁護士基準(裁判基準)の金額を保険会社も大概は認めます。しかし、休業損害や逸失利益、将来治療費などについては何とか金額を抑えようとしてくるのが常です。しっかり根拠を示して交渉しないと、正当な金額を獲得することは難しくなります。

またどうしても保険会社と意見が食い違い、示談が難しい場合は裁判で争うことになります。裁判には時間も労力もかかるため、できるだけ避けたいところですが、正当な主張が認めてもらえないならば致し方ありません。

こうして考えると、やはり交通事故の示談交渉の経験が豊富な弁護士に依頼していただくのが、正当な慰謝料・賠償金を受け取れる可能性が最も高いということになります。

骨折の慰謝料・賠償金の事例

これまでにアズール法律事務所で扱った交通事故による骨折の事例をいくつかご紹介します。実際にどれくらいの慰謝料賠償金が支払われたのか、参考としてご覧くさい。

まとめ

交通事故の被害によるケガの中でも、骨折は重傷に分類されます。特に治療後も変形や痛みが残るような後遺障害がある場合には、将来のことまでを考えてしっかりと慰謝料などの賠償金を受け取ることが重要です。

事故の相手側の保険会社に任せておいても、一応の賠償金(示談金)は受け取ることができると思います。しかし、それが本当に正しい金額なのか、増額する可能性はないのか、後になって後悔しないためにも確認することが必要です。
いちど示談書にサインをしてしまうと、それを覆すことはできません。ですからその前に交通事故を専門に扱う弁護士に必ず相談してください。アズール法律事務所では、交通事故の被害者の方からの相談は無料でお請けしています。実際に依頼していただく場合も、慰謝料などの賠償金が増額した場合にのみ弁護士費用をいただく成功報酬制ですので、被害者の方の負担は一切ありません。

もし、ご自身やご家族が交通事故の被害で悩んでいるなら、まずはできるだけ早めに無料相談をご利用ください。解決の糸口がみつかるはずです。