交通事故による視力低下・失明|目の後遺障害の慰謝料は?

交通事故で顔や頭に強い衝撃を受けると、視力低下など目に障害が生じるケースがあります。最悪の場合は失明してしまう場合もあります。
視覚というのは人間の五感のなかでも最も重要なものなので、目の障害は今後の生活にも大きな影響がでます。それだけに、しっかりと適正な慰謝料・賠償金を受け取ることが重要になります。

目の後遺障害の慰謝料・賠償金

視力低下や失明など、目に後遺障害が残った場合に請求できる慰謝料などの賠償金は、障害の内容や被害者の方の状況により異なります。ここでは目安として、実際に裁判等で認められた賠償金例をいくつかご紹介します。

障害の内容 後遺障害等級 賠償金の合計  
片目の視力低下 10級(併合8級) 約4340万円 ※1
眼球の運動障害 10級(併合8級) 約6860万円 ※2
片目の失明 8級(併合1級) 約2億5800万円 ※3

※1 被害者は51歳女性 視力低下(後遺障害10級)等により併合8級:平成15年9月名古屋地裁判決
※2 被害者は21歳男性 眼球の運動障害(後遺障害10級)等により併合8級:平成28年3月 東京地裁判決
※3 被害者は28歳女性 片目失明(後遺障害8級)により併合1級:平成15年8月 東京地裁判決

保険会社との交渉が重要

交通事故による目の障害は単独ということは少なく、脳や頭にもダメージが残ることが多くなります。
目だけでなく脳や神経症状にも後遺障害が認められれば、より高い後遺障害等級として認定され、慰謝料などの賠償金も高額になります。
しかし、賠償金が高額になると、相手側の保険会社も簡単には満額の支払いに応じてくれません。正当な賠償金を受け取るためには、専門的な交渉をする必要がでてきます。
その交渉を被害者の方の味方として行うのが弁護士です。交通事故の被害にあったら、まずは一度、交通事故を専門に扱う弁護士に相談してみてください。

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・目の後遺障害等級がわかります
・請求できる費用や慰謝料がわかります
・保険会社との交渉のしかたがわかります

交通事故で目の後遺障害となるケース

交通事故で目に後遺症が残るのは、どんなケースでしょう?
わかりやすいのは目そのものに何かがぶつかるなどして、角膜や眼球が傷つく場合です。
しかし直接的に目をぶつけなくとも、顔や頭に強い衝撃を受けると、目に障害がでる場合があります。これは目と脳をつなぐ神経や、脳の視覚を司る部分が損傷してしまったためです。

ここでは交通事故で見られる目の障害について、主なものを紹介します。

眼球の構造
眼球の構造

穿孔外傷(せんこうがいしょう)

割れたガラスの破片など、鋭利なものが目に突き刺さって、角膜や眼球に穴があいてしまうことを「穿孔外傷」といいます。ガラスや金属の細かい破片が眼球の中に残ってしまったり、細菌による感染症を起こす場合もあります。
多くの場合、著しい視力の低下や失明といった後遺症が残ります。

水晶体亜脱臼(あだっきゅう)

運転席のハンドルで眼球を打撲した際などに、目の水晶体がずれたり、外れたりしてしまうことがあります。水晶体が一部の支えを失って、ずれてしまうのが「水晶体亜脱臼」、完全に外れてしまうのが「水晶体脱臼」と呼ばれます。
水晶体はカメラのレンズにあたる部分で、これがずれると、ピントがあわなくなる、ものが二重に見えるといった状態になります。
症状が重いと、視力低下や複視(ふくし)の後遺症が残る場合があります。また、水晶体が傷ついている場合は、外傷性白内障となることも考えられます。

外傷性白内障(はくないしょう)

目にガラスの破片などの鋭利なものが刺さったり、目に何かが強くぶつかるなどすると、水晶体に傷がついてしまう場合があります。それにより水晶体が白くにごり、視力が低下するのが「外傷性白内障」です。
よくある加齢による白内障と異なり、手術による治療が難しく、視力の低下や、まぶしい光に敏感になる「羞明(しゅうめい)」という後遺症が残る可能性があります。

外傷性緑内障(りょくないしょう)

「外傷性緑内障」はケガの影響で、眼の中の圧力(眼圧)が高まることによって視神経が傷つき、徐々に視野が狭くなり、最悪の場合は失明してしまう後遺症です。
ダッシュボードに目の周辺を強く打ち付けたようなケースでは、外傷は治っても眼圧が高まっている場合があり、事故の数ヶ月後に緑内障が発覚するということもあります。

網膜剥離(もうまくはくり)

「網膜剥離」は、ボクシングなどのスポーツでも話題になる症状ですが、交通事故でも目に強い衝撃を受けた場合に見られます。
目の「網膜」はカメラのフィルムにあたる部分で、光を脳に伝える信号に変換する役割をもつ薄い膜です。この膜が裂けて剥がれてしまうのが「網膜剥離」です。

網膜剥離

多くの場合は手術による治療を行います。しかし症状が重いと、視力の低下や視野の欠損などの後遺症が残る可能性が強くなります。

視神経管(ししんけいかん)骨折

「視神経管」というのは目と脳をつなぐ神経が通る管です。バイクや歩行者が転倒した際などに頭、特に眉毛の外側を強く打つと、この「視神経管」の骨が折れて中を通る視神経を圧迫、あるいは切断してしまう場合があります。
視神経が傷つくと、目からの情報が脳に伝わらなくなるので、視力の低下や視野が狭くなるといった症状が生じます。
視神経を骨が圧迫している場合は、手術である程度の回復が見込めます。しかし視神経が切断されている場合は、大幅な視力低下や失明の後遺症が避けられないと言われています。

眼球破裂(がんきゅうはれつ)

交通事故で目や顔面に強い衝撃を受けると、文字通り眼球が破裂してしまうことがあります。専門医による手術でなんとか視力を取り戻すケースもありますが、多くの場合は失明か極度の視力低下という後遺症を避けられません。
また、目にここまで強い衝撃が加わるような交通事故では、顔の傷や脳の高次脳機能障害といった後遺症にも該当する可能性が高くなります。

脳出血・脳挫傷(のうざしょう)

目に直接の損傷がなくても、交通事故で脳にダメージを受けると、視力や視野に障害が出ることがあります。これは視神経から大脳へと通じる、視覚信号を処理する経路のどこかが損傷しているためです。

脳のどの部分が損傷しているかによって、左右どちらの目に症状がでるかが変わってきます。また損傷が少ない場合は、部分的に視野が失われるだけのことが多いのですが、重症の場合には失明してしまうこともあります。

目の障害の後遺障害等級

交通事故の被害により、視力の低下など目に後遺症が残った場合は、慰謝料などの賠償金を相手側の保険会社に請求できます。
その金額は認定された「後遺障害等級」を基準に計算されます。

ここでは、目のどのような後遺症が、どの後遺障害等級に該当するのかを紹介します。

視力低下・失明

視力が低下した場合や失明した場合の後遺障害等級の基準は、自賠法施行令の別表第2で下記のように定められています。

後遺障害等級 認定基準
1級1号 両眼が失明したもの
2級1号 1眼が失明し、他眼の視力が0.02以下になったもの
2級2号 両眼の視力が0.02以下になったもの
3級1号 1眼が失明し、他眼の視力が0.06以下になったもの
4級1号 両眼の視力が0.06以下になったもの
5級1号 1眼が失明し、他眼の視力が0.1以下になったもの
6級1号 両眼の視力が0.1以下になったもの
7級1号 1眼が失明し、他眼の視力が0.6以下になったもの
8級1号 1眼が失明し、又は1眼の視力が0.02以下になったもの
9級1号 両眼の視力が0.6以下になったもの
9級2号 1眼の視力が0.06以下になったもの
10級1号 1眼の視力が0.1以下になったもの
13級1号 1眼の視力が0.6以下になったもの

なお「視力」の数値については裸眼ではなく、メガネやコンタクトレンズなどを使用した矯正視力の数値となります。

「失明」については、眼球を失った場合や、明暗が判断できないか、または明暗がようやく区別できる程度の場合とされています。

視野についての障害

見える範囲が狭くなるなど、視野についての後遺障害等級の基準は下記のように定められています。

後遺障害等級 認定基準
第9級3号 両眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの
第13級号 1眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの

「半盲症(はんもうしょう)」は、視野が右半分または左半分しか見えない状態のことです。

「視野狭窄(しやきょうさく)」は、見える範囲が狭くなっている状態です。正面を見たときの、上下左右斜めそれぞれの視野角の合計が正常値の60%以下となっていれば視野狭窄に該当すると判断されます。

「視野変状」には視野の一部が欠けてしまう「視野欠損」や、視野のなかに強い光でも感知することができない部分がある「暗点」が含まれます。

目の調節機能、運動機能の障害

目のピントが合う範囲がせまくなる(調節機能の障害)、眼球の動く範囲がせまくなる(運動機能の障害)などについての後遺障害等級の基準は下記のように定められています。

後遺障害等級 認定基準
11級1号 両眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
12級1号  1眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの

「著しい調節機能機能障害」というのは、目のピントの合う範囲が正常な目の2分の1以下になっている場合が該当します。

「著しい運動機能障害」というのは眼球の動く範囲が正常な目の2分の1以下になっている場合が該当します。

後遺障害等級 認定基準
10級2号 正面を見た場合に複視の症状を残すもの
13級2号 正面以外を見た場合に複視の症状を残すもの

「複視(ふくし)」というのは、ひとつの物が二重に見えることを指します。片方の目を動かす筋肉が麻痺しているために、左右の目の方向がずれてしまうことが主な原因です。

まぶたの障害

まぶたの障害についての後遺障害等級は以下のように定められています。

後遺障害等級 認定基準
9級4号 両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
11級3号 1眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
13級4号 両眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの
14級1号 1眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの

「まぶたに著しい欠損」というのは、まぶたが欠けてしまって、目を閉じても角膜を完全には覆えないことをいいます。

瞳孔と角膜

「まぶたの一部に欠損」というのは、まぶたが欠けてしまって、目を閉じても白目が見えてしまうことをいいます。

「まつげはげ」は、まつ毛の2分の1以上が生えて来ない場合が該当します。

後遺障害等級 認定基準
11級2号 両眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
12級2号 1眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの

「まぶたに著しい運動障害」というのは、まぶたを十分に動かすことができないため、目を閉じても角膜を完全に覆えないこと、または目を開いてもまぶたが完全に瞳孔を覆ってしまうことをいいます。

目の障害で請求できる費用や慰謝料

交通事故によるケガで視力低下や失明などの後遺障害がある場合、相手側の保険会社に治療費や慰謝料など、さまざまな賠償金を請求することができます。

治療費

診察料、入院費、手術代など、病院での治療にかかった実費が支払われます。
通常は保険会社から直接、病院に払い込まれます。

入院雑費

入院中の消耗品などを購入する費用として請求できます。
金額は入院1日あたり一律で計算します。弁護士の基準では日額1,500円です。

付添看護費

家族の付き添いが必要な場合には、付添看護費が請求できます。ただし、被害者がまだ子供の場合などの、医師が必要と認めたものに限られます。

通院交通費

通院のための交通費については実費が請求できます。
タクシーの利用や付き添いの交通費については、医師が必要と認めた場合など、必然性がある場合のみ認められます。

休業損害

交通事故のケガが原因で、仕事を休んだ日数分の金額が支払われます。

傷害(入通院)慰謝料

「ケガをしたことによる精神的苦痛」に対して支払われる慰謝料です。
金額は入通院の期間に応じて決められます。弁護士の基準では、入院1ヶ月につき約50万円・通院1ヶ月につき約25万円となります(実際の金額は赤い本の入通院慰謝料表(別表1)によります)。

後遺障害慰謝料

視力低下や失明など「後遺障害が残ってしまった精神的苦痛」に対して支払われる慰謝料です。認定された後遺障害等級に応じて金額が決められます。

目に関する後遺障害では症状によって1級〜14級に認定される可能性があります。それぞれの後遺障害慰謝料は以下のとおりです。

後遺障害等級 自賠責基準 弁護士基準
1級 1150万円 2800万円
2級 998万円 2370万円
3級 861万円 1990万円
4級 737万円 1670万円
5級 618万円 1400万円
6級 512万円 1180万円
7級 419万円 1000万円
8級 331万円 830万円
9級 249万円 690万円
10級 190万円 550万円
11級 136万円 420万円
12級 94万円 290万円
13級 57万円 180万円
14級 32万円 110万円

上の表からも分かるとおり、弁護士が入って交渉した場合(弁護士基準)と、保険会社が独自に計算した場合とでは、金額が大きく変わります。

後遺障害逸失利益

視力が低下したり、失明してしまったという後遺障害によって、本来できたはずの労働ができなくなります。したがって、本来は得られるはずの今後の収入も減ってしまうことになります。その減ってしまう将来の収入についての賠償が「逸失利益(後遺障害逸失利益)」です。

後遺障害等級ごとに労働能力喪失率の目安が決められています。

後遺障害等級 労働能力喪失率 後遺障害等級 労働能力喪失率
1級 100% 8級 45%
2級 100% 9級 35%
3級 100% 10級 27%
4級 92% 11級 20%
5級 79% 12級 14%
6級 67% 13級 9%
7級 56% 14級 5%

「逸失利益」の金額は事故当時の被害者の方の収入額と年齢によって計算します。後遺障害等級が高い場合は労働能力喪失率も大きくなるので、逸失利益の金額はかなり大きなものになります。

装具費用(義眼、眼帯など)

眼球を摘出したケースなどで必要になる義眼や眼帯の費用についても、相手側の保険会社に請求することができます。

定期的な交換やメンテナンスが必要になる場合はその費用も請求できますが、基本的には賠償金として一括で支払われます。将来にかかる費用を漏れなく計算して、しっかりと請求するようにしなければなりません。

目の障害の慰謝料・賠償金はどう決まる?

慰謝料・賠償金を受け取るまでの流れ

交通事故の被害で足を切断した場合の示談交渉の流れを簡単にまとめたのが下の図になります。

交通事故での示談交渉の流れ

「事故発生」から半年~1年半ほどの「治療」を行ったうえで「これ以上の回復は見込めない」と医師が判断することを「症状固定」といいます。失明に至るような重症の場合にはさらに治療に時間をかけてから「症状固定」とするケースが多いようです。

その後、担当の医師が発行した後遺障害診断書とそれまでの治療経過、弁護士の意見書などを揃えて、後遺障害等級認定の申請を行います。申請から結果が出るまで、おおよそ3~6ヶ月程度かかります。

後遺障害等級が認定されたら、最終的な慰謝料などの金額について保険会社と「示談交渉」を行います。納得できる金額の提示があれば示談成立となりますが、どうしても納得できない場合は裁判をすることになります。

こうして賠償金額が決定して、ようやくお金が被害者の方の手元に届くことになります。

慰謝料・賠償金の3つの基準

交通事故の慰謝料などの計算に使う「基準」には「自賠責保険基準」「任意保険基準」「弁護士基準」の3つがあります。

保険会社が独自に算定した賠償金と、弁護士が入って交渉する場合の賠償金に大きな開きがあるのは、この「基準」がそもそも異なるためです。

3つの基準

自賠責保険基準

自賠責保険は自動車を所有とき必ず入る必要のある強制加入保険です。被害者を保護するための最低限の保険という目的のため、「自賠責保険基準」の慰謝料等は3つの基準の中で最も低い金額になります。

任意保険基準

任意保険というのはいわゆる自動車保険のことです。自賠責保険で足りない賠償金を上乗せするためのもので、約7割のドライバーが加入していると言われます。「任意保険基準」の慰謝料等は3つの基準の中で2番目に低い金額ですが、自賠責保険の基準とほぼ同額ということもあるようです。

弁護士基準

「弁護士基準」は弁護士が示談交渉をする際に使う基準です。過去の裁判の判決をもとに、被害者の方が本来受け取るべき慰謝料の目安として作られており「裁判基準」とも呼ばれています。3つの基準の中でもっとも高額になります。

もちろん「弁護士基準」で慰謝料などの賠償金を受け取ることが、被害者の方やご家族の今後のためにも最も良いと思います。

保険会社との交渉が必要

「自分は被害者なのだから、黙っていても相手の保険会社が十分な賠償金を支払うはず…」と、思ってはいないでしょうか?

もちろん加害者側の保険会社は賠償金を支払いますが、著しい視力低下や失明に至るような交通事故では、その金額が大きいだけに、保険会社もなかなか100%の支払いには応じようとしません。それどころか「弁護士基準」の半分以下の金額が提示されることも少なくないのです。

充分な賠償金を得るには、しっかりとした交渉が必要になります。

具体的には「慰謝料」を弁護士基準で計算することに加えて、目の障害が将来の収入にどれほど影響するのかを論理的に説明して「逸失利益」をしっかり獲得することが非常に重要です。
しかしこうした交渉を被害者の方が直接行うのは、なかなか難しいというのが現実ではないでしょうか。やはり専門知識を持った弁護士に任せていただくのが、もっとも良い結果につながると言えます。

弁護士に依頼するメリット

交通事故で視力を失うという事態は、ご本人やご家族にとって大きなショックだと思います。長期の治療が必要になりますし、今後の生活について根本的に考えなければならなくなります。経済的な不安も大きいのではないでしょうか。
そこで頼っていただきたいのが、交通事故を専門的に扱っている弁護士です。ご相談いただくことで、さまざまなメリットがあります。

金額面でのメリット

弁護士に依頼することで、保険会社から受け取る慰謝料などの賠償金が大幅に増える可能性があります。保険会社が提示する金額が倍以上になることもめずらしくありません。
弁護士費用を差し引いたとしても、金銭面でのメリットは、それを大きく上回ります。

手続き面でのメリット

切断した足の治療やリハビリをしなければならない一方で、事故の相手側や保険会社と交渉もしなければならないのは、被害者の方にとって大きなストレスになります。
弁護士に依頼することで、こうした手続きはすべて任せることができます。専門知識を持ったスタッフが被害者の方のことを第一に考えて対応するので安心です。

精神面でのメリット

交通事故で入院することや、ましてや後遺症を抱えるという事態は、ほとんどの方にとって初めてことで、精神的な不安も大きいと思います。
治療やリハビリについては医師や理学療法士の方に相談できます。しかし、これからの生活や仕事がどうなるか、どんなお金が必要になって、どんなお金が入ってくるのか…こうした相談に乗れるのは交通事故の経験が豊富な弁護士なのです。将来の見通しが立つことで、精神的な負担はきっと軽くなります。

目の後遺障害の慰謝料・賠償金の事例

実際に弁護士が入って示談交渉や裁判を行い、正当な賠償金を獲得した事例を紹介します。
賠償金の内容や金額はそれぞれの被害者の方の状況により異なりますが、どんな項目でどれくらいの金額が受け取れるのか等、参考になると思います。

①視力低下で後遺障害10級(併合8級)、約4340万円の賠償金が認められた事例

自動車を運転中に交通事故に巻き込まれたAさん(51歳女性)は、追突された衝撃で車内に顔面を強く打ちつけました。搬送された病院では「頭頸部外傷、外傷性くも膜下出血、顔面挫創、頸椎捻挫、歯牙損傷等」との診断を受けました。
その後、約2年間を治療に費やしましたが、頭を打った衝撃が、眼球から脳への視覚情報を伝える視神経に損傷を与えていたため、左目の「視力低下」などの後遺症が残ってしまいました。

事故の影響でAさんの左目の視力は0.1以下になってしまったので「後遺障害10級1号」に該当します。そして、視力低下のほかにも頭痛やめまい、顔の傷、歯などについても後遺障害が認められたため、最終的に「併合8級」と認定されました。
その結果、1000万円以上の慰謝料のほか、逸失利益として3000万円以上が認められ、支払われる賠償金の総額は4340万円を超えるものとなりました。
(平成15年9月名古屋地裁判決)

項目 賠償金額
治療費 ¥87,235
通院、通勤交通費 ¥186,062
入院雑費 ¥74,100
休業損害 ¥1,208,318
傷害慰謝料 ¥2,200,000
後遺障害慰謝料 ¥8,300,000
逸失利益 ¥31,335,443
その他費用 ¥45,679
合計 ¥43,436,837

②眼球の運動障害で後遺障害10級(高次脳機能障害との併合8級)、約6860万円の賠償金が認められた事例

後部座席に乗っていた自動車が、崖から転落して大ケガを負ったBさん(21歳男性)は、搬送された病院で「脳挫傷、外傷性くも膜下出血、頭蓋底骨折、顔面骨骨折、右顔面神経麻痺、眼球運動障害、右難聴、外傷性尿崩症」と診断されました。
約3年間治療を続けましたが、Bさんには多数の後遺症が残ってしまいました。

目については、視神経が損傷したことで、右目の眼球が正面を向かず、常に左右の像が一致しない障害があり、右目の矯正視力も0.6以下まで落ちてしまいました。Bさんは常に眼帯をして生活することを余儀なくされました。

「眼球の運動障害」は後遺障害10級2号に該当し、「片目の視力低下」は13級1号に該当します。Bさんには高次脳機能障害などの障害もあったため、最終的に後遺障害併合8級が認定されました。
Bさんは大学生でしたが、弁護士の主張により大学卒業時に就職したという前提で24歳から67歳までの逸失利益が認められ、賠償金の総額は約6860万円を超えるものとなりました。
(平成28年3月 東京地裁判決)

項目 賠償金額
治療費 ¥4,790,064
入院雑費 ¥112,500
入院付添看護費 ¥234,000
通院交通費 ¥100,000
通院付添費 ¥33,000
休業損害 ¥629,000
眼帯代 ¥148,393
飲料代 ¥723,182
入通院慰謝料 ¥2,300,000
後遺障害慰謝料 ¥8,800,000
逸失利益 ¥49,998,730
将来治療費 ¥591,776
将来の眼帯代 ¥221,916
合計 ¥68,682,561

③片目を失明して後遺障害8級(脳損傷との併合1級)、約2億5800万円の賠償金が認められた事例

乗っていたタクシーがトラックと衝突し、そのトラックの荷台に顔面と頭部を打ち付けられてしまったCさん(28歳女性)は、この事故により「開放性脳損傷、脳挫傷、右眼球破裂」等の重傷となりました。

約1年半の治療の後、症状固定となりましたが、Cさんには高次脳機能障害や左半身の麻痺をはじめとする様々な障害が残ってしまいました。右目の眼球については摘出するしかなく、いわゆる「失明」となりました。

片目が失明した場合の後遺障害等級は8級1号ですが、その他の重い障害とあわせて後遺障害併合1級が認められました。
Cさんは片方の目が見えず、左半身が麻痺しているうえに、精神的な障害もあるため、生活をしていくためには常に誰かの介護が必要です。将来の介護費については、相手側の保険会社と激しい交渉が必要でしたが、最終的に1日あたり24,000円が認められ、賠償金の総額は2億5800万円を超えるものとなりました。
(平成15年8月 東京地裁判決)

項目 賠償金額
治療費 ¥2,370,026
通院・付添交通費 ¥1,954,591
自動車購入費等 ¥2,500,000
装具費 ¥152,285
入院雑費等 ¥1,319,823
休業損害 ¥6,356,544
介護費 ¥1,237,000
将来介護費 ¥132,003,168
逸失利益 ¥74,202,662
入通院慰謝料 ¥4,800,000
後遺障害慰謝料 ¥32,000,000
合計 ¥258,896,099

まとめ

視力を失うような交通事故では、目以外にも重い障害を負っている場合が多いと思います。
ショックを乗り越えて、生活を立て直さなければならないご本人やご家族には、並大抵ではない苦労があることと思います。それだけに将来のことまでを見据えて、しっかりと慰謝料などの賠償金を受け取ることが大切になります。

これまで、アズール法律事務所では数多くの交通事故の被害者の方々とともに、保険会社と闘ってきました。そしてこれからも、被害者の方々が将来にわたって安心して暮らしていただけるよう、しっかりサポートさせていただくことをお約束します。