手指のけが|後遺障害等級と慰謝料を解説(骨折・曲がらない等)

手指イメージ

交通事故で手の指が曲がらなくなったり、切断してしまった場合、どれくらいのお金を受け取ることができるのでしょうか?

保険会社から支払われるお金は「後遺障害等級」に準じて支払われます。では手指の「後遺障害等級」はどのように決まっているのでしょうか。

手指は5本あり、それぞれ機能が分かれます。そこで、どの指に障害があるかによって「後遺障害等級」が決められています。まずはこの「後遺障害等級」をしっかり取ることが大事です。

また「後遺障害等級」を取った後の手続きや交渉によって、もらえるお金に差が出てきます。しっかりした手続きや交渉をしないと、受け取るお金は少なくなってしまいます。
通常、保険会社はお金の支払いをかなり渋りますから、後遺障害等級の取得や金額の交渉で困難を感じた場合、専門家に相談してみることもひとつの手です。

手の指の後遺障害のご相談は
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この記事を読むと

・手の指の後遺障害等級がわかります
・慰謝料などの賠償金の額がわかります
・正当な賠償金を受け取る方法がわかります

手指の後遺障害等級一覧

手の指の障害で認定される「後遺障害等級」は下の表のとおり3級〜14級です。

等級 機能障害
(曲がらなくなった)
欠損障害
(切断した)
3級   ・両手の指をすべて失った場合
4級 ・両手のすべての指の機能を失った場合  
6級   ・片手の指をすべて失った場合
・片手の親指を含む4本の指を失った場合
7級 ・片手の5本の指の機能を失った場合
・片手の親指を含む4本の指の機能を失った場合
・片手の親指を含む3本の指を失った場合
・片手の親指以外の指4本を失った場合
8級 ・片手の親指を含む3本の指の機能を失った場合
・片手の親指以外の4本の指の機能を失った場合
・片手の親指を含む2本の指を失った場合
・片手の親指以外の指3本を失った場合
9級 ・片手の親指を含む2本の指の機能を失った場合
・片手の親指以外の3本の指の機能を失った場合
・片手の親指を失った場合
・片手の親指以外の指2本を失った場合
11級   ・片手の人差し指を失った場合
・片手のくすり指を失った場合
12級 ・片手の人差し指、中指、くすり指のどれか1本の機能を失った場合 ・片手の小指を失った場合
13級 ・片手の小指の機能を失った場合 ・片手の親指の先端、第一関節より先の一部の骨を失った場合
14級 ・片手の人差し指、中指、くすり指、小指のいずれかの指の第1関節が曲がらなくなった場合 ・片手の親指以外の指の先端、第一関節より先の一部の骨を失った場合

手の指が曲らない「機能障害」の後遺障害等級

手の指が曲がらなくなった場合の後遺障害等級については、どの指が曲がらないか、また何本の指が曲がらないかによって等級が異なります。

なお法律用語で指が曲がらないことなどを「用を廃した」といいます。「指の機能を失った」という意味だと考えてください。以下のいずれかに該当することが基本的な条件となります。

  • 第1関節(遠位指節間関節/DIP関節)から先の骨を半分以上失っていること
  • 指の付け根の関節(中手指節関節/MP関節)または指の第2関節(近位指節間関節/PIP関節)もしくは親指の第1関節(中手指節関節/MP関節)の可動域が1/2以下となっていること
  • 指先の感覚が完全に失われていること

4級6号|両手の手指の全部の用を廃したもの

【解説】両手のすべての指の機能を失った場合は4級6号に該当します。

7級7号|1手の5の指又はおや指を含み4の手指の用を廃したもの

【解説】片手の5本の指の機能を失った場合、または親指を含む4本の指の機能を失った場合は7級7号に該当します。

8級4号|1手のおや指を含み3の手指の用を廃したもの又はおや指以外の4の手指の用を廃したもの

【解説】片手の親指を含む3本の指の機能を失った場合、または親指以外の4本の指の機能を失った場合は8級4号に該当します。

9級13号|1手のおや指を含み2の手指の用を廃したもの又はおや指以外の3の手指の用を廃したもの

【解説】片手の親指を含む2本の指の機能を失った場合、または親指以外の3本の指の機能を失った場合は9級13号に該当します。

10級7号|1手のおや指又はおや指以外の2の手指の用を廃したもの

【解説】片手の親指の機能を失った場合、または親指以外の2本の指の機能を失った場合は10級7号に該当します。

12級10号|1手のひとさし指、なか指又はくすり指の用を廃したもの

【解説】片手の人差し指、中指、くすり指のどれか1本の機能を失った場合は12級10号に該当します。

13級6号|1手のこ指の用を廃したもの

【解説】片手の小指の機能を失った場合は13級6号に該当します。

14級7号|1手のおや指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの

【解説】片手の人差し指、中指、くすり指、小指のいずれかの指の第1関節が曲がらなくなった場合は14級7号に該当します。

手の指を切断した「欠損障害」の後遺障害等級

手の指を切断した場合の後遺障害等級については、どの指を失ったかによって、また何本の指を失ったかによって等級が異なります。

なお、「手指を失った」と判断されるには、親指は第1関節(中手指節関節/MP関節)、そのほかの指は第2関節(近位指節間関節/PIP関節)から先を失っている(切断している)ことが基本的な条件となります。
それよりも失った範囲が小さいものは「指骨の一部を失ったもの」となります。

3級5号|両手の手指の全部を失ったもの

【解説】両手の指をすべて失った場合は3級5号に該当します。

6級8号|1手の5の手指又は親指を含み4の手指を失ったもの

【解説】片手の指をすべて、もしくは親指を含む4本の指を失った場合は6級8号に該当します。

7級6号|1手のおや指を含み3の手指を失ったもの又はおや指以外の4の手指を失ったもの

【解説】片手の親指を含む3本の指を失った場合、または親指以外の指4本を失った場合は7級6号に該当します。

8級3号|1手のおや指を含み2の手指を失ったもの又はおや指以外の3の手指を失ったもの

【解説】片手の親指を含む2本の指を失った場合、または親指以外の指3本を失った場合は8級3号に該当します。

9級12号|1手のおや指又はおや指以外の2の手指を失ったもの

【解説】片手の親指を失った場合、または親指以外の指2本を失った場合は9級12号に該当します。

11級8号|1手のひとさし指、なか指またはくすり指を失ったもの

【解説】片手の人差し指、またはくすり指を失った場合は11級8号に該当します。

12級9号|1手のこ指を失ったもの

【解説】片手の小指を失った場合は12級9号に該当します。

13級7号|1手のおや指の指骨の一部を失ったもの

【解説】片手の親指の先端、第一関節より先の一部の骨を失っている場合は13級7号に該当します。

14級6号|1手のおや指以外の手指の指骨の一部を失ったもの

【解説】片手の親指以外の指の先端、第一関節より先の一部の骨を失っている場合は14級6号に該当します。

手指の後遺障害の認定のポイント

交通事故の後遺障害等級では、必ず医師による診断書が必要です。

ではどういった診断書が必要なのでしょうか?どういった検査や書類が必要でしょうか?
それは個々の案件次第というところもありますが、まずは次のポイントに気をつけましょう。

  • レントゲン(XP)、MRI等の患部を撮影した画像
  • 医師や理学療法士による可動域制限の角度測定
  • 経過診断書や後遺障害診断書の適切な記載

症状が一見該当するように見えても、実際にはその等級が取れない場合もあります。加害者側が契約している保険会社が行う後遺障害申請では、なるべく低い等級になるように仕向けられることも多いので注意が必要です。

より高い後遺障害等級をとる方法

正しい後遺障害等級、もしくはより高い等級を認定してもらうには「被害者請求」を行うことが大切です。また被害者請求を行う際の症状の立証方法や主張の仕方にも実はコツがあります。

等級が同じでも慰謝料は異なる

これまでは「後遺障害等級」についてお話してきました。

ただ、実際に受け取る慰謝料は、「後遺障害等級」を取った後の交渉で決まります。本来、後遺障害の等級が同じならば支払われる慰謝料も同等なものになるはずですが、実際にはそうではありません。慰謝料を算定する基準が3つ存在するためです。

3つの基準 説明図

「自賠責保険の基準」「任意保険の基準」「弁護士(裁判)基準」がありますが、「弁護士基準」が一番多くのお金を受け取ることができます。

手指の障害で請求できる費用や慰謝料

交通事故で「後遺障害等級」を取った場合、慰謝料以外にも様々なお金を受け取ることができます。

治療費・入院雑費・休業損害・逸失利益などです。

治療費

診察料、入院費、手術代など、病院での治療にかかった実費が支払われます。
通常は保険会社から直接、病院に払い込まれます。

入院雑費

入院中の消耗品などを購入する費用として請求できます。
金額は入院1日あたり一律で計算します。弁護士の基準では日額1,500円です。

通院交通費

通院のための交通費については実費が請求できます。
タクシーの利用や付き添いの交通費については、医師が必要と認めた場合など、必然性がある場合のみ認められます。

休業損害

交通事故のケガが原因で、仕事を休んだ日数分の金額が支払われます。

傷害(入通院)慰謝料

「ケガをしたことによる精神的苦痛」に対して支払われる慰謝料です。
金額は入通院の期間に応じて決められます。弁護士の基準では、入院1ヶ月につき約50万円・通院1ヶ月につき約25万円となります(実際の金額は赤い本の入通院慰謝料表(別表1)によります)。

後遺障害慰謝料

後遺障害慰謝料は「後遺障害が残ってしまった精神的苦痛」に対して支払われる慰謝料です。認定された後遺障害等級に応じて金額が決められます。

手の指に関する後遺障害では症状によって3級〜14級に認定される可能性があります。それぞれの後遺障害慰謝料は以下のとおりです。

後遺障害等級自賠責基準弁護士基準
3級861万円1990万円
4級737万円1670万円
6級512万円1180万円
7級419万円1000万円
8級331万円830万円
9級249万円690万円
10級190万円550万円
11級136万円420万円
12級94万円290万円
13級57万円180万円
14級32万円110万円

弁護士が入って交渉した場合(弁護士基準)と、保険会社が独自に計算した場合とでは、金額が大きく変わります。

後遺障害逸失利益

指が曲がらなくなったり、切断してしまったという後遺障害によって、本来できたはずの労働ができなくなります。したがって、本来は得られるはずの今後の収入も減ってしまうことになります。その減ってしまう将来の収入についての賠償が「逸失利益(後遺障害逸失利益)」です。

後遺障害等級ごとに労働能力喪失率の目安が決められています。

後遺障害等級 労働能力喪失率 後遺障害等級 労働能力喪失率
3級 100% 10級 27%
4級 92% 11級 20%
6級 67% 12級 14%
8級 45% 13級 9%
9級 35% 14級 5%

「逸失利益」の金額は事故当時の被害者の方の収入額と年齢によって計算します。後遺障害等級が高い場合は労働能力喪失率も大きくなるので、逸失利益の金額はかなり大きなものになります。

保険会社との交渉が必要

これらの受け取れるお金について、「自分は被害者なのだから、黙っていても相手の保険会社が十分な賠償金を支払うはず…」と、思ってはいないでしょうか?

もちろん加害者側の保険会社は賠償金を支払いますが、重大な後遺障害が残る交通事故ではその金額が大きいだけに、保険会社もなかなか100%の支払いには応じようとしません。それどころか「弁護士基準」の半分以下の金額が提示されることも少なくないのです。

充分な賠償金を得るには、しっかりとした交渉が必要になります。

具体的には「慰謝料」を弁護士基準で計算することに加えて、手指の障害が将来の収入にどれほど影響するのかを論理的に説明して「逸失利益」をしっかり獲得することが非常に重要です。
しかしこうした交渉を被害者の方が直接行うのは、なかなか難しいというのが現実ではないでしょうか。

そこで弁護士に依頼することを検討する方に、弁護士に依頼する場合のメリット・デメリットを挙げてみました。

弁護士に依頼するメリット

金額面でのメリット

弁護士に依頼することで、保険会社から受け取る慰謝料などの賠償金が大幅に増える可能性があります。保険会社が提示する金額が倍以上になることもめずらしくありません。
弁護士費用を差し引いたとしても、金銭面でのメリットは、それを大きく上回ります。

手続き面でのメリット

ケガの治療やリハビリをしなければならない一方で、事故の相手側や保険会社との連絡や交渉もしなければならないのは、被害者の方にとって大きなストレスになります。
弁護士に依頼することで、こうした手続きはすべて任せることができます。専門知識を持ったスタッフが被害者の方のことを第一に考えて対応するので安心です。

精神面でのメリット

交通事故で入院することや、ましてや後遺症を抱えるという事態は、ほとんどの方にとって初めてことで、精神的な不安も大きいと思います。
治療やリハビリについては医師や理学療法士の方に相談できます。しかし、これからの生活や仕事がどうなるか、どんなお金が必要になって、どんなお金が入ってくるのか…こうした相談に乗れるのは交通事故の経験が豊富な弁護士なのです。将来の見通しが立つことで、精神的な負担はきっと軽くなります。

まとめ

手の指はいうまでもなく人間にとってとても大事な部分です。
手の指が曲がらなくなったり、切断してしまうと、仕事に影響が出たり、家事がこなせなくなったりと、日常生活にも多くの影響が出ます。それだけに正当な補償を受けておかないと、後々困ったことになるのです。

ただ、保険会社はなんだかんだと言って、正当な賠償をしていないのが現実です。実際に泣き寝入りに近い被害者の方が大勢いらっしゃいます。
アズール法律事務所は、そうした被害者の方をひとりでも少なくするために、日々保険会社と厳しい交渉を続けています。
また、我々アズール法律事務所はほぼ交通事故専門の事務所です。交通事故に関してはかなりの知識と経験を持っていると自負しております。一度お電話でお話しできれば、交通事故にかなり詳しいということはお分かりいただけると思います。

正当な賠償を受けるための一歩を踏み出してみませんか。