このページでは耳鳴りで後遺障害等級を獲得するためのポイントを、事例をもとにお話させていただきます。大切なのは、事故後すみやかに耳鼻科での診察を受け、適切な治療と診断を受ける事です。
耳鳴りが後遺症として残った交通事故の状況とは?
東京都在住のAさん(57歳主婦、女性)からご依頼をいただいたのは、ご本人が交通事故にあった直後のことでした。事故直後から難聴と耳鳴りが続いていたといいます。事故状況はAさんが信号待ちで停車していたところ、後ろから追突されたというものでした。
Aさんの診断名は
- 頚椎捻挫
- 腰椎捻挫
でした。
Aさんは最初に訪れた整形外科で耳に違和感があることを訴えましたが、担当医は加齢や精神的なものだろうとあまり診察に積極的でなかったといいます。
耳鳴りの症状を耳鼻科で受診
交通事故の相談を受けていると、首と腰の捻挫で耳鳴りや難聴の症状に悩まされている方によくお会いします。耳鳴りは事故とは関係ないと言われたり、精神的なものだと言われ、耳鼻科に通っていないケースが多いようです。
ところが耳鳴りは、首や腰の捻挫から発生することもあり、後遺症として認定される可能性のある症状なのです。
事故から期間があいてしまっての受診では、事故との関連性を疑われてしまいます。Aさんから相談をうけたアズール法律事務所では、早急に耳鼻科で受診するようAさんにアドバイスしました。
耳鳴りで後遺症を認定させるには?

- 事故後、すみやかに耳鼻科で診察を受ける
- オージオメーター検査を受ける
耳鳴りで後遺症の認定を受けるには、上記2点が重要なポイントとなります。事故後すみやかに耳鼻科での診察を受けるのは、事故との関連性を疑われないようにするためです。
まずは事故当初から耳鳴りの症状に悩まされていたことを、医師によって診断書に残してもらうことが大切です。
また、聴力をオージオメーター検査で測定してもらうことが必要になります。Aさんは弁護士のサポートのもと治療を続けましたが、耳鳴りは完治することなく治療は終了となりました。
後遺症の申請、14級を獲得
Aさんの治療が終了したことを受け弁護士は、後遺障害診断書とオージオメーターの検査結果を添えて、後遺障害の申請手続きに入りました。事故当初から耳鳴りの症状を訴え続けていたことで症状の一貫性が認められ、Aさんには無事に後遺障害等級14級が認定されました。
耳鳴りで後遺障害等級14級を獲得した場合の賠償額
保険会社との示談交渉が始まりました。担当者は14級であることを理由に、逸失利益の期間を5年と主張してきました。逸失利益というのは、簡単にいえば将来の減収分です。
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逸失利益とは?後遺障害によって減った収入の補償を解説
耳鳴りの症状はAさんの人生で長く続いていくもので、5年後に治るというものではありません。5年間という主張には到底納得できませんでした。
弁護士は聴力のオージオメーター検査結果や医師の意見書をもとに、症状が永続するものであることを根気よく訴えました。 その粘り強い交渉で、結果として保険会社に10年間の逸失利益を認めさせることに成功しました。
項目 | 相手方の提示案 | アズールによる最終獲得額 |
---|---|---|
治療費 | 150万円 | 150万円 |
交通費 | 8万円 | 8万円 |
休業補償 | 80万円 | 102万円 |
入通院慰謝料 | 80万円 | 135万円 |
逸失利益 | 70万円 | 124万円 |
後遺障害慰謝料 | 40万円 | 110万円 |
合計 | 428万円 | 629万円 |
既払額 | 158万円 | 158万円 |
最終支払額 | 270万円 | 471万円 |
弁護士に早期に依頼するべき理由とは
弁護士に早期に依頼するべき理由は
- 事故直後から後遺症の申請を見据えたサポートを受けられる
という点にあります。Aさんには受傷直後にご依頼いただいたことで、後遺症の申請を見据えたアドバイスをすることができました。事故にあってしまうとお怪我の苦しみに加え、保険会社との話し合いや病院選びなど多くの困難に直面することになります。
どうしたらよいかわからないとき、そのために専門家がいます。まずは弁護士に相談して、解決への第一歩をふみだしてみませんか?