外貌醜状で9級16号に認定、最終的に約1500万円の賠償金を獲得した事例

診断書イメージ

交通事故による顔の傷あと(外貌醜状)が、保険会社による事前認定で見落とされて「後遺障害なし」とされた事例を紹介します。弁護士による異議申し立てにより後遺障害等級9級16号(外貌醜状)に認定され、最終的に1500万円近い賠償金を獲得できました。


外貌醜状となる傷あとが残った交通事故の状況

Yさん(18歳)は父親が運転する乗用車の後部座席に兄弟とともに乗車中に事故にあった。交差点を直進していたところ、右折しようとした対向車に衝突され、そのはずみで電信柱に衝突。乗用車は全損となるほどの交通事故だった。この事故でYさんは顔面を打ち、左のまぶたから髪の生え際までおよそ7cmの傷を負った。

交通事故の保険実務では、顔の傷のことを外貌醜状(がいぼうしゅうじょう)という。

救急搬送された病院での診断結果は以下のとおりだった。

  • 顔面挫創
  • 左顔面神経麻痺

当初は手当により治癒する見込みだったが、顔の傷は完全に消えることはなく、半年経っても傷あとは残ったままだった。

外貌醜状の後遺障害なしと判断した保険会社に不信感

幸い家族に大きなケガはなく、Yさん以外の示談交渉は保険会社の主導で進められた。しかしYさんの顔の傷(外貌醜状)について後遺障害なし(非該当)とされたことについて父親は納得がいかず、保険会社にそれを強く訴えた。しかし何度話をしても頑として認められることはなかった。
どうしようもない状況を打開するため、父親は弁護士に相談してみることにした。

外貌醜状に関する後遺障害診断書の記載ミスが発覚

相談を受けたアズール法律事務所では、Yさんの顔の傷を実際に確認するとともに、後遺障害診断書等の書類を精査。その結果、外貌醜状の後遺障害に相当する5cm以上の傷あとがあるにもかかわらず、それが後遺障害診断書に記載されていないことが判明した。
診断書を作成した医師の明らかな記載ミスだが、保険会社はそれを知ってか知らずか見落としていたのである。

外貌醜状で後遺障害等級の9級16号に認定

弁護士は改めて医師に正しい診断書の作成を依頼し、それをもとに後遺障害認定等級に対する異議申し立てを実行した。弁護士が面接に同行して実際に傷の場所を指し示し、今回の経緯を説明した結果、自賠責保険側も後遺障害等級の見直しを余儀なくされた。
最終的にYさんは後遺障害等級の9級16号(外貌醜状)と認定され、相当する賠償金が保険会社から支払われることになった。

共同不法行為による慰謝料を請求

さらに弁護士は今回の事故の状況を分析し、これが共同不法行為となることに着目した。
共同不法行為とは、加害者が二人以上いる場合にどちらにも責任を負わせることができるというものだ。
今回は対向車の運転手だけではなく、Yさんを乗せていた父親にも責任がある。したがって二人に対して責任を負わせることができるのだ。

二人に責任を負わせることができることから、二人がかけていた保険の両方から賠償を受けられることになる。
Yさんは9級16号の後遺障害に対する慰謝料額616万円を両方のの保険から受け取れることになり、最終的な賠償金は以下のとおり1500万円近くにもなった。

項目 賠償金額
治療費 105万円
その他費用 3万円
入通院慰謝料 116万円
自賠責後遺障害保険金
(共同不法行為)
1232万円(616万×2)
合計 1456万円

アズール法律事務所からのコメント

今回ご紹介した事例では、保険会社の怠慢ともいえるミスで危うく後遺障害なしとされてしまうところでした。

ただ幸いだったのは、アズール法律事務所にご相談いただけたことです。わたしたちには交通事故に関する長年の経験と知識があります。今回も事実の調査から各種資料の取り寄せ、診断書の修正、異議申し立ての手続きなどをお手伝いすることができました。

共同不法行為であることが認められたこともあり、結果として被害者のかたにも十分ご納得いただける金額をお渡しすることができました。保険会社に任せきりではまったく違った結果になったと思います。

もし交通事故による後遺障害に疑問を持ったなら迷わずご相談ください。眼の前の霧が晴れるような未来があるかもしれません。