片足を切断した場合(後遺障害5級)の慰謝料を弁護士が事例で解説

交通事故は、昨日まであたりまえだった日常を、大きく変えてしまいます。
今回紹介するのは、交通事故の後遺症で片足の切断手術を行った方の事例です。人生が大きく変わってしまったことに対する慰謝料・賠償金は、どのような内容になるのか見てみましょう。

片足を切断した事故・ケガの状況

夜道を歩行中に、後ろから来た大型トラックに追突されたBさん(35歳男性)は、転倒した左足をトラックに轢(ひ)かれて、脛(すね)の骨が粉砕骨折となる重傷を負いました。

搬送された病院で血行再建手術を行ったものの、血行障害により膝(ひざ)から下、約10センチより先に壊死(えし)が生じてしまい、切断手術を行うほかありませんでした。

足の切断後の経緯

切断した足の状況が落ち着いたタイミングから、義足を使用したリハビリを開始しました。しかし、切断部にはさらに壊死が生じるなどしたため、何度も皮膚の移植手術を行う必要がありました。
切断部が完全に治癒して「症状固定」と判断できたのは、事故からおよそ9年後のことでした。

Bさんは事故前に勤務していた団体を退職せざるをえず、その後も再就職することは叶いませんでした。

後遺障害5級の慰謝料・賠償金

ひざ下からの切断は後遺障害5級に該当しますが、Bさんは背中や臀部にも傷が残ったため、総合的な判断で併合4級が認定されました。

等級獲得後から実際の保険金額の交渉に入ることになります。ちなみに後遺障害等級4級と5級の後遺障害慰謝料額の相場は次のとおりです。

後遺障害弁護士基準任意保険基準自賠責基準
4級1670万円非公開737万円
5級1400万円非公開618万円

「弁護士基準」というのは、弁護士が保険会社との交渉に入った場合に採用される基準です。「任意保険」は保険会社が独自に設定している基準で、金額は非公開となっていますが「自賠責基準」よりもやや多い程度ということが多いようです。

そして、交通事故で被害者に支払われる金額は、何も慰謝料だけに限りません。後遺症が残った場合、慰謝料に加えて逸失利益というのも大きい金額になります。逸失利益まで含めると、後遺障害4級や5級の被害者に支払われる保険金の総額は数千万円から数億円にもなることもあります

これだけ大きい金額になると、保険会社はなんだかんだと難癖をつけ支払いを拒むことになります。そうなるとやはり弁護士の出番となります。

Bさんの場合は、最終的に裁判を行うことになりました。片足を失うという深刻な状態のため、高額な「慰謝料」や「逸失利益」が認められたのはもちろん、義足の購入・交換費として3年ごとに70万円、家屋のバリアフリー化工事費250万円などが弁護士の主張により認められ、保険会社から支払われる賠償金の総額は約1億3250万円となりました。

後遺障害5級の慰謝料・賠償額表

項目賠償金額
治療費¥10,938,472
入院雑費¥574,500
通院交通費¥234,960
義肢購入費¥3,360,129
休業損害¥22,457,688
傷害(入通院)慰謝料¥4,500,000
後遺障害慰謝料¥16,700,000
後遺障害逸失利益¥67,485,088
将来の義肢購入・交換費¥3,820,646
家屋改造費¥2,500,000
合計¥132,571,483

*既払金・過失相殺は別途

正当な慰謝料・賠償金を獲得するには?

片足切断による後遺障害4級や5級のような高い等級では、保険会社は必死で支払いを渋ります。交渉そのものもかなりの心理的負担になります。

事故の相手や保険会社との交渉を、交通事故を専門に扱う弁護士に任せることによって、被害者の方やご家族は負担から開放され、心理的にも安心することができると思います。そして、慰謝料などの賠償金を大きく増額できる可能性があります。

「足の切断」というのは交通事故による後遺障害の中でも、非常に重いものです。ショックを乗り越えて、生活を立て直さなければならないご本人やご家族には、並大抵ではない苦労があることと思います。それだけに将来のことまでを見据えて、しっかりと慰謝料などの賠償金を受け取ることが大切になります。

これまで、アズール法律事務所では数多くの交通事故の被害者の方々とともに、保険会社と闘ってきました。そしてこれからも、被害者の方々が将来にわたって安心できるよう、しっかりサポートさせていただくことをお約束します。


※本事例は平成25年4月さいたま地裁での判決をもとにアズール法律事務所が構成しました