椎間板ヘルニアによる腕のしびれで後遺障害12級13号を獲得した事例

追突事故により、いわゆる椎間板ヘルニアに起因する腕のしびれが残ってしまった事例です。椎間板ヘルニアだけではなかなか後遺障害として認定されるのは難しいのですが、的確な証拠資料を揃えることできれば可能性はあります。

後遺症の原因となった事故・けがの状況

神奈川県在住のYさん(39歳、男性)は、雪道を徐行中、後ろから走行してきた乗用車に追突されました。乗用車は、凍った道路でスリップしたようです。乗用車はかなりのスピードで走っていたため、スリップした際もほとんど減速することなく突っ込んできたといいます。Yさんは直ちに救急車で搬送され医師の治療を受けられました。

体全体に衝撃を受けたYさんの症状は、

  • 末梢神経障害
  • 頚椎捻挫
  • 背部痛

でした。

10ヶ月の通院を経て後遺障害を申請

Yさんは左腕のしびれがとれず、仕事も休みがちになっていきました。通院は10か月にも及びましたが、痛みやしびれの状態はなかなか改善しませんでした。

当初は保険会社に後遺障害等級の申請を任せたのですが、結果は14級9号でした。Yさんはどうしても結果に納得ができず、アズール法律事務所にご相談されました。

Yさんのお持ちいただいた書類だけでは12級13号に認定されるかは不明でしたが、やるだけやってみたいということで弁護士にご依頼されました。

診断書等を検討した結果、さらに証拠をそろえて被害者請求へ

Yさんの診断書等を取り寄せて再検討した結果、Yさんには「頚椎の椎間板膨隆」による「椎間孔の狭小化」及び「神経根に圧迫」があることがわかりました。いわゆる椎間板ヘルニアの影響で左腕のしびれが生じていたわけです。

「頚椎の椎間板」とは、頚椎(けいつい、要するに首の骨のことです)の間にあって、上下の頚椎をつないでいる組織のことです。この椎間板(ついかんばん)が何かの要因で膨らみ、頚椎の間を通っている神経の束が圧迫されることが「頚椎の椎間板膨隆(ぼうりゅう)」です。いわゆる「椎間板ヘルニアの一種」です。

「椎間孔」とは、頚椎の間から神経などを通すために空いている孔(あな)のことです。この孔が椎間にある椎間板が膨隆することで狭まり、神経が圧迫されて痛みやしびれが出ることを「椎間孔の狭小化」といいます。

「神経根の圧迫」とは、頚椎の間から出ている神経の束(神経根)が椎間板膨隆などによって圧迫されることをいいます。

日本脊髄外科学会のホームページ

椎間板ヘルニアだけではなかなか後遺障害等級12級13号に認定されることは少ないですが、Yさんには画像で証明できるだけの症状がありました。

さらに、後遺障害等級12級13号に認定されるには証拠を追加していくことが必須です。弁護士のアドバイスのもと、十分な書類を整え被害者請求を行いました。その結果、Yさんには後遺障害等級12級13号が認定されました。

12級13号 局部に頑固な神経症状を残すもの

保険会社との交渉のポイント

後遺障害等級か確定したら、今度は相手方の保険会社との交渉に入ります。弁護士が意識したのは以下の2つのポイントです。

  • 基礎収入についてかなりの増額を認めさせる
  • 逸失利益の年数についてご依頼者も納得の年数に

当初Yさんは自営業であったため、休業損害などを計算する収入額については大きな争いがありました。Yさんも入院などの混乱の中で、申告資料や領収書についてお持ちでない部分もかなりあり、保険会社にもかなり抵抗されました。
また職業に関連して逸失利益の計算についても年数を争われました。結局裁判となりましたが、裁判官を説得することで、ご納得いただける金額にまで増額することができました。

後遺障害等級12級13号(末梢神経障害)で獲得した保険金

項目 12級13号の賠償額
治療費 71万8000円
交通費 4万5000円
文書料 1万5000円
休業補償 155万8000円
入通院慰謝料 144万2000円
逸失利益 1097万9000円
後遺障害慰謝料 290万円
合計 1765万7000円

弁護士に依頼することのメリット

神経症状では、弁護士に依頼することのメリットがよくわかります。

まずは等級を申請する段階です。神経症状については画像診断や診断書等の書類を的確にそろえていくことが必須です。どういった画像なら大丈夫か、どういった書類が必要か、など経験が絶対に必要です。

さらに交渉段階においても、神経症状はよく基礎収入額や逸失利益算定の基礎となる年数が争われることが多いです。後遺障害等級12級13号では、弁護士に依頼すればかなりのメリットがあると思います。