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後遺障害等級(後遺障害)14級9号に認定された事故及びケガの状況

東京都在住のHさん(事故当時46歳、男性)は、乗用車で信号待ちをしていたところ、後ろから来た前方不注意の乗用車に追突されました。衝突によりHさんは、頚椎捻挫いわゆるむち打ち状態になり、首と腰にかなりの衝撃を受けました。その時点でもかなりの痛みだったといいます。
医師の診断を受けたところ、
- 外傷性頚肩椀症候群
- 頚椎捻挫(むち打ち)
- 腰部挫傷
でした。
通院、そして症状固定後も痛みが回復せず
Hさんは7カ月近く通院しました。Hさんは大手企業の重要なポストについており仕事もかなり忙しかったのですが、どうしても痛みが我慢できず、毎日のように病院に通いました。Hさんはインターネットで後遺障害等級について知りましたが、どうすればきちんとした等級をとれるのか、また正当な保険金を得られるのかよく分かりません。
そこで自分の保険会社に相談したところ、保険会社の顧問弁護士を紹介されました。保険会社の担当者は、「信用してもらって大丈夫です。」としきりに自社の弁護士を勧めました。しかし保険会社から勧められることに不安を感じたHさんは、やはり自分で選んだ弁護士がよいのではないかとアズールにご相談いただきました。
Hさんの後遺障害診断書には初期の診断名に加えて次の症状が記載されました。
- 頚部から肩部痛
- 頚椎可動域制限
- 脊椎角状後弯
ただ、運動制限については骨折・脱臼がないことから後遺障害等級認定には不利な状況でした。そこで痛みについてきちんとした等級の取得を目指しました。
14級9号等級認定のポイント
Hさんの後遺障害等級の申請については、きちんと病院に通っていたか、また診断書がきちんと書かれているかが問題になりました。しかし事前にご相談いただいたことで、上記の通院・診断書の点をクリアにすることができました。また「被害者請求」を行うことで、正確な資料による申請を行うことができました。
結果的にHさんには、後遺障害14級9号が認定されました。
等級認定後の交渉の経緯
等級認定後、さっそく相手方との交渉を始めました。
当初、アズールで損害額を計算し相手方に提示しましたが、なかなか相手方からの返答が得られませんでした。何度も提示を求めた結果、やっと相手方からの提示を受けましたが、とても納得できる金額の提示はありませんでした。やむを得ず裁判手続きに移ることになりました。裁判の結果、Hさんも納得する金額を得られることができました。
後遺障害等級14級9号(頚椎捻挫)の慰謝料・保険金額
項目 | 後遺障害14級9号の慰謝料・保険金額 |
---|---|
治療費 | 74万8112円 |
通院交通費 | 2万7520円 |
文書料 | 5400円 |
休業補償 | 3万2230円 |
入通院慰謝料 | 95万2666円 |
逸失利益 | 178万5969円 |
後遺障害慰謝料 | 110万円 |
合計 | 465万1897円 |
弁護士を入れるメリットとは?
弁護士を入れるメリット、それは等級の取得と保険金の増額です。特に14級9号のような神経症状については、きちんとした資料を提出しないと等級非該当にされてしまいます。そして、実際の保険金額については、弁護士が入らないと保険会社はまともな金額を支払おうとしません。おおげさではなく、当事務所ではご依頼いただいた案件の99%で実際に増額しています。それだけ保険会社が支払いをしぶっているのです。
ただ、単に交渉するだけでは保険金は上がりません。どういった方法を使って、またどういった資料を使って交渉するか、など事件の解決のため総合的に検討する必要があります。
また、裁判をやればいいというものでもありません。裁判することで相手方も弁護士を立て、本格的に争ってきます。そのため、そもそも裁判をすべきか、交渉で裁判よりも高い金額を得られないか、なども検討しながら事件を進めて行く必要があります。
弁護士を入れるメリット、それは未来を的確に予想し、有利にすることだといえます。