弁護士基準とは? 交通事故の慰謝料が増額する可能性を解説

「弁護士基準」という言葉をご存知でしょうか? 

「弁護士基準」は、交通事故の慰謝料・賠償金(いしゃりょう・ばいしょうきん)を計算するときに使われる基準のひとつで、「弁護士基準」で計算すると慰謝料などは最も高額になることが多いと言われます。

なぜそうなるのでしょう? そして「弁護士基準」の慰謝料などを受け取るにはどうすれば良いのでしょう? デメリットは無いのでしょうか?
この記事では、こうした気になる点について詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。

この記事を読んでいただくと…

・「弁護士基準」の意味がわかります
・「弁護士基準」の慰謝料などの計算方法がわかります
・「弁護士基準」での賠償金を受けとる方法がわかります

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弁護士基準とは

慰謝料・賠償金の「基準」とは?

交通事故の被害者の方が、相手側の自動車保険会社から受け取る慰謝料などの賠償金は、事故によって被ったさまざまな損害をお金で埋め合わせるものです。
ただ事故による損害と言っても、壊れたモノの修理代やケガの治療費など、お金で表しやすい損害ばかりではありません。

たとえば「慰謝料」というのは「精神的な苦痛に対する賠償金」です。つまり交通事故によって、ケガをしてしまったり、後遺症が残ってしまったことにより生じた「精神的な苦痛」を埋め合わすために支払われる賠償金ということになります。しかし「精神的な苦痛」をお金に換算するのはなかなか難しいことです。受けた苦痛に対して、いくらもらえば満足するのかは、それぞれの人や環境によって大きく違ってくるはずだからです。

とはいえ慰謝料の金額を決めるのに、あまりに長い時間がかかったのでは、被害者の方にさらに苦痛を与えることになってしまいます。加害者や保険会社にとっても、事故の賠償がいつまでも解決しないのは望ましいことではありません。

それぞれの悩み

そこで、過去の交通事故の賠償例などをもとに、治療期間の長さや後遺障害の重さなどの客観的な事実から賠償金の目安を定めた「基準」が使われるようになりました。
この「基準」を使って計算することで、被害者の方が受け取る慰謝料などの金額を速やかに決定することができます。

ただし、さまざまな理由により「基準」はひとつに統一されていません。自動車保険の会社が被害者の方に賠償金を提示するときに使っている「基準」と、弁護士が示談交渉や裁判で使う「基準」は違うものなのです。

慰謝料・賠償金の3つの基準

交通事故の慰謝料などの計算に使う「基準」には「自賠責保険基準」「任意保険基準」「弁護士基準」の3つがあります。

自賠責保険基準

自賠責保険は自動車を所有とき必ず入る必要のある強制加入保険です。被害者を保護するための最低限の保険という目的のため、「自賠責保険基準」の慰謝料等は3つの基準の中で最も低い金額になります。

任意保険基準

任意保険というのはいわゆる自動車保険のことです。自賠責保険で足りない賠償金を上乗せするためのもので、約7割のドライバーが加入していると言われます。「任意保険基準」の慰謝料等は3つの基準の中で2番目に低い金額になります。

弁護士基準

「弁護士基準」は弁護士が示談交渉をする際に使う基準です。過去の裁判の判決をもとに、被害者の方が本来受け取るべき慰謝料の目安として作られており「裁判基準」とも呼ばれています。3つの基準の中でもっとも高額になります。

弁護士基準と任意保険基準、なぜ大きな差がある?

3つの基準のうち「任意保険基準」と「弁護士基準」には大きな金額差があり、2~3倍の差になることも珍しくありません。なぜこれほど金額に大きな差がでるのでしょう?

自賠責保険は最低限の金額

交通事故の被害者の方に対しては、まず自賠責保険から慰謝料などの賠償金が支払われます。しかしその金額は最低限ですから、実際に被害者の方が被った損害に対する賠償としては足りません。

その足りない部分は本来、事故の加害者が負担するべきものです。しかし事故の賠償金は、莫大な金額になってしまうケースも多く、現実的ではありません。
そこで、万一に備えて多くのドライバーが加入するのが任意保険、いわゆる自動車保険です。

任意保険会社は営利企業

自動車保険に関しては、たくさんのコマーシャルが流れていますし、その多くは名前の通った損害保険会社です。そうした立派な会社の「基準」ならば、しっかりと慰謝料等を払ってくれると思いがちですが、実は違います。
実際には保険会社は「自賠責保険基準」の金額に少しだけ上乗せした金額を、被害者の方に提示していることがほとんどだと思います。

なぜそうなるのか?そのからくりはこうです。事故の加害者が自動車保険に入っている場合には、自賠責保険からの賠償金は、その保険会社に一旦預けられます。
「これに足りない分の金額を加えて被害者の方に渡してください」というわけです。

そして、どれだけ「上乗せ」するかは各保険会社が自由に決めて良いということになっています。したがって、上乗せする金額をなるべく低く抑えるほど、保険会社の利益が増えるとういうわけです。保険会社といっても営利企業ですから、これは仕方のないことかもしれません。

弁護士基準は本来受け取るべき金額

しかしこれでは被害者の方はたまったものではありません。正式に裁判をすれば何倍もの慰謝料・賠償金が認められるのに、その半分以下の金額で示談することになってしまうのです。

そこで必要になるのが「弁護士基準」です。これは過去の裁判例をもとに、被害者の方が本来受け取るべき慰謝料等の目安として作成されています。
弁護士が裁判を起こせば、実際にこの「弁護士基準」に近い判決が出るであろう金額ですので、相手側の保険会社も飲まざるをえないというわけです。

「任意保険基準」と「弁護士基準」の差は、いわば「保険会社の都合で決めた金額」と「被害者本位で決めた金額」の差と言えるかもしれません。
交通事故の被害者の方が受け取る慰謝料などを増額するには「弁護士基準」で交渉することが非常に重要です。

弁護士基準はどこで確認できる?

では「弁護士基準」というのはどこで確認できるのでしょう?
「弁護士基準」の慰謝料・賠償金の目安として最も多く使われているのは、日弁連交通事故相談センターの東京支部が発行する「民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準」という書籍です。この本は毎年新しいものが発行されており、表紙が赤いことから「赤い本」という通称で呼ばれています。
「赤い本」は一般の方が購入することもできますが、法律家向けの内容なので、読んでもなかなか理解するのは難しいと思います。

またこの「赤い本」以外に「青本」「緑本」「黄色い本」と呼ばれる書籍も使われることがあります。

赤い本

日弁連交通事故相談センターの東京支部が毎年発行している書籍「民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準」のこと。
交通事故裁判のなかでも参考となる判例や、事故形態ごとの過失割合なども掲載されており、慰謝料、休業損害、逸失利益、物損、積極損害、遅延損害金などの基準や考え方について詳しく掲載されている。

「赤い本」

青本

日弁連交通事故相談センターの本部が1年おきに改定版を発行している書籍「交通事故損害額算定基準」のこと。
交通事故損害額の算定基準と解説を中心に全国のスタンダードな判例を中心に掲載している。慰謝料などについては上限と下限を示しているのが特徴。

「青本」

緑本

大阪弁護士会交通事故委員会が不定期に発行している書籍「交通事故損害賠償額算定のしおり」のこと。
大阪での判例を中心に裁判基準の慰謝料などを掲載している。

「緑本」イメージ

黄色い本

日弁連交通事故相談センター愛知県支部が不定期に発行している書籍「交通事故損害賠償算定基準」のこと。
名古屋地方裁判所での判例を中心に裁判基準の慰謝料などを掲載している。

「黄色い本」イメージ

弁護士基準で慰謝料等を受け取るには

慰謝料等を増額するためには「弁護士基準」で相手側の保険会社と交渉することが重要です。では、具体的にはどうすればよいでしょう?

自分で交渉する?弁護士に頼む?

「弁護士基準」の慰謝料の計算については、くわしい解説を読めば一般の方でもできるかもしれません。しかし、保険会社との交渉となるとなかなか難しいのが現実です。保険会社に一般の方が「弁護士基準」だと言って交渉しても、まず相手にしてもらえません。

保険会社が提示する金額は、各保険会社の社内で承認された「基準」で計算されており、一個人の意見でそれを覆すのは非常に困難なのです。被害者の方が無理を言えば、逆に保険会社側が弁護士を立ててくることも考えられます。

しかし被害者側が弁護士に依頼した場合には、保険会社も「弁護士基準」での交渉に対応せざるを得なくなります。弁護士ならば「応じなければ裁判になる」という圧力を保険会社にかけながら交渉ができるためです。
やはり「弁護士基準」の慰謝料・賠償金を獲得するためには、弁護士に依頼していただくというのが、ほぼ唯一の方法になると考えて良いと思います。

なお、弁護士に依頼していただければ、交通事故に関する保険会社との交渉や連絡は弁護士がすべて代行します。被害者の方は、保険会社とは一切の連絡をとる必要がなくなりますので、無駄な時間を使うこともなく、心理的な負担からも開放されます。こうした金銭面以外のメリットも非常に大きいと思います。

弁護士の選び方

「弁護士基準」で慰謝料・保険金を受け取るには、弁護士を選んで示談交渉の代行を依頼する必要があります。しかし、ほとんどの被害者の方にとって、弁護士を選ぶというのはおそらく初めてのことではないでしょうか?

 弁護士の選び方には、大きく分けて3種類の方法があります。

①知り合いの弁護士を頼る

知人や親戚に弁護士がいる場合、その人に相談してみるという方法があります。
ただし、ひとくくりに「弁護士」と言っても、実際にはそれぞれの得意分野や専門分野があります。例えば企業法務を専門とする弁護士に、急に交通事故を依頼しても素早く的確な対応ができるわけではないのです。

特に交通事故の賠償金請求は特殊な分野です。法律知識だけではなく、保険会社の交渉のコツや、医療や審査機関に関する知識なども必要になります。たとえ交通事故を扱ったことがあっても、十分な経験を積んだ弁護士でなければ、被害者の方にとって納得のいく結果を得ることはできない場合があります。

やはり、交通事故を専門的に扱う、経験豊富な弁護士を選ぶことが、一番大事なポイントです。

②弁護士紹介センター等を利用する

各地の弁護士紹介センター等を利用するというのも、弁護士選びのひとつの方法です。
ただし、必ずしも交通事故の被害者の側に立つことに長けた弁護士が紹介されるわけではないようです。

というのは、紹介された弁護士に依頼してみたものの「連絡がとりづらい」「対応が遅い」「交通事故に詳しくない」などの理由で「弁護士を変更したい」という相談を、被害者の方からよく受けるのです。交通事故対応で日々活躍している弁護士が、こうしたサービスで紹介されることは実は少ないのかもしれません。

紹介された弁護士を変更するには、先にも紹介したように、手間も費用もかかってしまいます。しっかりと交通事故に関する経験や実績を確認したうえで、弁護士を選ぶことが大切です。

③弁護士をネットで探す

このページをご覧の方ならばおわかりだと思いますが、ネットで検索すると交通事故と弁護士に関するたくさんの情報が出てきます。しかし、そこからしっかり吟味して弁護士を選ぶのはなかなか大変な作業だと思います。

そこで、交通事故被害の弁護士を選ぶ際に最低限確認していただきたいチェックポイントを挙げてみます。

弁護士を選ぶ時のチェックポイント

・交通事故に特化したホームページを公開している
・交通事故の損害賠償の実績が多数あり、解決事例を公開している
・ご自身のケガや後遺症に近い事例や情報が掲載されている
・弁護士費用についてわかりやすく掲載されている

なお、弁護士費用については「完全成功報酬制」を採用している法律事務所を選ぶのが良いでしょう。保険会社から獲得できた損害賠償金の中から弁護士費用が支払われるので、被害者の方の実質的な費用負担はありません。

弁護士への相談方法

弁護士に相談というと、初めての方にとってはだいぶハードルが高いのではないでしょうか。「怖い」とか「難しそう」と感じられる方も多いと思います。
でも、交通事故被害の相談について言えば、そんなことはありません。

弁護士に相談

少なくとも、アズール法律事務所では交通事故の被害者の方に気軽に相談していただけるように、いつもフレンドリーな対応を心がけています。親身になって被害者の方のメリットを最大限にすることを日々考えながら活動していますので、ぜひご連絡いただければと思います。

弁護士への相談については、直接お会いする方法のほかに、電話やリモートでお話しすることも可能です。全国の交通事故に対応していますので、遠方の方でも全く問題ありません。

相談のタイミングについては、事故の直後から示談する直前まで、いつでも大丈夫です。相談することで、先の見通しが立って安心できる点や、わずらわしい保険会社とのやりとりを任せられる点などを考えると、早めに弁護士に相談していただいた方がメリットが多くなると言えます。

ただし、示談書にサインして示談が成立してしまった後では、弁護士ができることはほとんどありません。相手の保健会社から示談金の提示があったら、サインする前に弁護士に相談するようにしてください。

弁護士費用について

弁護士に相談するとき、どうしても気になってしまうのが弁護士費用のことではないかと思います。
実際には弁護士費用よりも「弁護士の交渉による賠償金の増額」のほうが、ずっと大きくなる場合が多く、弁護士が入ったことで被害者の方が損をするケースはほとんどありません。

相談料は無料が多い

交通事故の被害者の方からの相談については「相談料」を無料としている法律事務所が多くなりました。また実際に依頼を受けるときの「着手金」についても無料の場合が多いと思います。
まずは無料で相談をして、どれくらい慰謝料・賠償金の増額が見込めるか、そしてどれくらいの弁護士費用がかかるのかを確認してみるのも良いのではないでしょうか。

ただし、無料相談に時間制限を設けている法律事務所や、相談料・着手金にを有料とする法律事務所もあるので、事前に確認するようにしてください。

弁護士報酬は獲得した賠償金による

「弁護士報酬」については、実際に獲得できた賠償金からのパーセンテージで受け取る「成功報酬制」を採用する法律事務所が多くなっています。

アズール法律事務所の場合、成功報酬の金額は「22万円+獲得金額の11%(税込)」または「22万円+保険会社の提示額からの増額分の22%(税込)」のうちどちらか相談者の方に有利な方をお選びいただけます。

いずれの場合も、保険会社から賠償金が支払われた後、その中からお支払いいただけるので被害者の方の実質的な費用負担はありません。

弁護士費用特約の利用

被害者の方やご家族が加入している自動車保険(任意保険)に「弁護士費用特約」のオプションがついている場合、最大300万円までの弁護士費用はその保険会社に負担してもらうことができます。
「弁護士費用特約」を使うと弁護士報酬についても、ご自身で支払う必要がないので、手元に更に多くのお金を残すことができます。

一部の火災保険や傷害保険などにも弁護士費用特約のオプションがついている場合がありますので、ご自身やご家族のの加入している保険を確認してみてください。

※弁護士費用特約利用の場合の弁護士費用は、日弁連リーガル・アクセス・センターが定める「LAC基準」の料金体系となります。

弁護士基準でのメリットとデメリット

「弁護士基準」で計算すると交通事故の慰謝料などは最も高額になる場合が多いです。ただし、すべての交通事故の被害で「弁護士基準」が有利になるわけではありません。

なぜなら「弁護士基準」で保険会社と交渉するためには、弁護士に報酬を支払う必要があります。つまり慰謝料などの増額分よりも弁護士報酬が高くなってしまうと、いわゆる「費用倒れ」となり、被害者の方は逆に損をしてしまうことになります。

では、どのようなケースが「弁護士基準」で有利になり、どんなケースが「費用倒れ」で損をしてしまうのかを紹介します。

◯ 後遺障害等級に該当する重傷

一定期間の治療が終了してもケガが完治せず、深刻な後遺症が残り「後遺障害等級」が認定される場合は、「弁護士基準」で保険会社と交渉したほうが有利になる場合が多いと言えます。

目安としては交通事故で骨折以上の重傷を負った場合は、ほぼこれにあてはまります。なるべく早めに弁護士に相談するようにしてください。

✕ 後遺障害等級に該当しない軽症

交通事故によるケガであっても、治療により完治する場合や、軽い後遺症で「後遺障害等級」に該当しない場合は、弁護士が入っても賠償金が増額する幅が小さく、弁護士費用を差し引くと逆に損をしてしまう場合が多くなります。
「弁護士基準」で増額する幅が特に大きいのは「後遺障害慰謝料」と「逸失利益」なのですが、「後遺障害等級」に非該当の場合は、これらを請求することができないためです。

◯ 死亡事故

ご家族が交通事故で亡くなった場合も「弁護士基準」で交渉することによって、死亡慰謝料などの賠償金が増額する可能性が高くなります。ぜひ弁護士に相談してください。

✕ 物損のみの事故

被害者の方にケガがなく、自動車やバイクの修理代等のみを請求する「物損事故」には「弁護士基準」は適用されません。

「弁護士基準」はあくまで被害者の方がケガをして後遺症が残ったり、お亡くなりになった場合の慰謝料などの目安として定められたものとなります。

◯弁護士費用特約が使える場合

被害者の方が入っている自動車保険料等の「弁護士費用特約」が使える場合、弁護士費用は保険会社が負担してくれます。つまりご自身は弁護士に報酬を支払う必要がありません。そのためどんな事故でも、弁護士に依頼した方が有利になります。

弁護士基準の傷害(入通院)慰謝料

交通事故でケガをした場合、入通院した期間に応じて「傷害(入通院)慰謝料」が請求できます。

「傷害(入通院)慰謝料」は「けがをしたことによる精神的な苦痛に対する賠償」ですが、「精神的な苦痛」をそのまま金額に換算するのは難しいので、けがの治療に要した期間で金額を決定します。

弁護士基準の「傷害(入通院)慰謝料」の相場はおおよそ下記の通りです。
自賠責保険基準と比べると、ほぼ倍以上の金額になります。

弁護士基準 自賠責保険基準
・入院1ヶ月につき約50万円・通院1ヶ月につき約25万円
※実際の金額は赤い本の入通院慰謝料表(別表1)によります
※むちうちなどの軽症では金額が異なります(同 別表2)
・入通院1日につき4,300円
※治療費、休業損害との合計が120万円までの上限あり

傷害慰謝料の計算方法(弁護士基準)

「弁護士基準」の入通院慰謝料表には別表Ⅰと別表Ⅱがあります。 原則として慰謝料は別表Ⅰを用いて計算することとされています。

入通院慰謝料表(別表Ⅰ)

むち打ち症で他覚所見(骨折や脱臼など)を伴わない場合や、軽い打撲・軽い傷の場合は、別表Ⅱを用いることとされています。

入通院慰謝料表(別表Ⅱ)

※ 大変申し訳ありませんが、慰謝料の計算方法そのもののご相談には応じておりません。あらかじめご了承ください

傷害慰謝料の計算例(弁護士基準)

まずは通院6ヶ月の慰謝料をみていきたいと思います。 上記の表のうち、通院なら縦方向に増えていきます。下記の表の、「入院」と記載してあるマスの下方向に記載してある金額が通院慰謝料です。ちょっと分かりにくいですが、通院1ヶ月なら28万円、通院2ヶ月なら52万円、通院3ヶ月なら73万円というふうに増えていきます。

通院4ヶ月説明図

通院6ヶ月ならば116万円となります。
ただし、むちうちなどの軽傷場合は別表2を使用するので、通院6ヶ月の慰謝料は89万円となります。

入院2ヶ月、通院3ヶ月の慰謝料

入院の場合は横方向に月数が増えていきます。そして、入院した後通院した場合、それぞれの交差するところに記載している金額が入通院慰謝料となります。
例えば、下記の表であれば、154万円が入院2か月、通院3か月の慰謝料の相場となります。

入院2ヶ月・通院3ヶ月説明図
「1ヶ月」の数え方

通常の暦では、1ヶ月は30日の時もあれば31日の時もありますね。しかし交通事故の入通院慰謝料の計算では、1ヶ月はとにかく「30日」として計算します。 かなり面倒な計算になるのですが、事故日から症状固定までの全ての日数を数えて、これを30で割って月数を出します。

日数に端数が出た場合は次のとおりに計算します。 上記の例で、通院2ヶ月と20日の場合を下記の表で説明します。

まず、通院3ヶ月の慰謝料を調べます。下記の表では73万円です。 次に通院2ヶ月の慰謝料を調べます。下記の表では52万円です。 そして73万円から52万円を引いたものが、通院3ヶ月と2ヶ月の差ですので、これを30で割ります。

通院日数計算説明図

21万円÷30=一日あたり7,000円

これに日数の20をかけます。

7,000円×20日=14万円

これに2ヶ月分の慰謝料を足したものが2ヶ月と20日の通院慰謝料です。

14万円+52万円=66万円

弁護士基準の後遺障害慰謝料

交通事故によるケガが治療をしても完治せず、後遺症が残ってしまった場合に請求できるのが「後遺障害慰謝料」です。後遺障害の重さを表す1級から14級の「後遺障害等級」によってその金額が変わってきます。

後遺障害慰謝料表

弁護士基準の「後遺障害慰謝料」の相場はおおむね下記のとおりです。参考として掲載した右側の自賠責保険基準に比べると2倍以上の金額になるケースがほとんどです。

後遺障害等級 弁護士基準 自賠責保険基準※
1級(要介護) 2800万円 1650万円
1級 2800万円 1150万円
2級(要介護) 2370万円 1203万円
2級 2370万円 998万円
3級 1990万円 861万円
4級 1670万円 737万円
5級 1400万円 618万円
6級 1180万円 512万円
7級 1000万円 419万円
8級 830万円 331万円
9級 690万円 249万円
10級 550万円 190万円
11級 420万円 136万円
12級 290万円 94万円
13級 180万円 57万円
14級 110万円 32万円
※2020年4月1日以降に発生した事故に適用される基準

交通事故慰謝料などの概算金額を計算するには

慰謝料・保険金を簡単に計算できる自動計算機をご用意しました。
後遺障害等級と年齢、年収額の3つを入力するだけで慰謝料を含んだ賠償金の目安を確認できます。ぜひ参考にしてください。

弁護士基準の死亡慰謝料

「死亡慰謝料」は交通事故で亡くなられた方のご遺族に支払われる慰謝料です。
弁護士基準の「死亡慰謝料」の相場はおおむね下記のとおりです。亡くなった方の家庭内の立場等によって金額が異なってきます。

死亡慰謝料の相場(ご遺族への慰謝料を含む)

亡くなった方 弁護士基準 自賠責保険基準
一家の支柱 約2500万円〜3000万円 950万円~1350万円
母親・配偶者 約2300万円〜2800万円 950万円~1150万円
独身者 約2000万円〜2500万円 950万円~1050万円
子ども 約2000万円〜2500万円 950万円~1050万円
高齢者 約2000万円〜2500万円 950万~1250万円

上の表の「一家の支柱」というのは、家族の生活を収入面から支えている方のことを指します。母親が自らの収入で家計を支えている場合も「一家の支柱」となります。

参考として記載した右の列の「自賠責保険基準」での「死亡慰謝料」は少しややこしくて、ご本人の慰謝料は一律400万円、ご遺族への慰謝料は請求権者(亡くなった被害者の父母、配偶者、子ども)の数などによって550万円~950万円の間で変動します。上の表では、合計金額の下限と上限を記載しています。

いずれにしても「弁護士基準」の死亡慰謝料は「自賠責保険基準」の2倍以上の金額になるケースがほとんどだと思います。

死亡慰謝料の概算金額を計算するには

弁護士基準での死亡慰謝料の概算金額が確認できる。「死亡慰謝料の自動計算機」をご用意しました。4つの要素を入力するだけですぐに金額が表示されます。ぜひ参考にしてください。

弁護士基準の休業損害

交通事故によるケガで入院・通院が必要となり、仕事を休んだ分の給与が減らされてしまった、ボーナスが減額された、見込まれていた昇給がなくなった、諸手当が無くなった…など、収入の減収分を賠償するのが「休業損害」です。

「休業損害」=「1日あたりの収入」×「休業日数」

「休業損害」の計算方法は上のようにシンプルで、弁護士も保険会社も同じです。
しかし「1日あたりの収入」をいくらにするか、「休業日数」をどうカウントするかについては弁護士と保険会社では違って来る場合があります。

特に自営業や個人事業主の方の場合や、主婦やアルバイトの方の「1日あたりの収入」をどう考えるか、有給休暇を使った場合の「休業日数」はどうカウントするか等については、意見がわかれる場合が多くなります。

保険会社では、なるべく支払い額を少なくしたいため、十分な「休業損害」を認めてくれない場合があります。
これに対して、弁護士が入った場合は、被害者の方が受け取るべき正当な金額を主張します。そのため「休業損害」についても弁護士が入ると有利になる場合が多いと言えます。

弁護士基準の逸失利益

「逸失利益」は交通事故の後遺症のために、今後できるはずの仕事ができなくなり、減ってしまう一生涯の収入を埋め合わせるための賠償金です。交通事故の損害賠償では「慰謝料」よりも「逸失利益」のほうが高額になるケースもめずらしくありません。

逸失利益の計算式

基礎収入 × 労働能力喪失率 × ライプニッツ係数(労働能力喪失期間による)

「逸失利益」は上の式で計算されます。ちょっと難しい言葉が並んでいますが、この計算式自体は弁護士でも保険会社でも違いはありません。
しかし計算のベースとなる「基礎収入」をいくらに設定するか、後遺症が仕事に与える影響(労働能力喪失率)をどのくらいと考えるか、事故がなければあと何年働くことができたと考えるか(労働能力喪失期間)などについては、弁護士と保険会社の意見が割れることが多くなります。

保険会社に任せた場合は、なるべく支払い額を少なくしたいという思惑から、十分な「逸失利益」を認めてくれないことが多々あります。
これに対して弁護士が入った場合は、被害者の方が受け取るべき正当な金額を主張します。そのため「逸失利益」についても有利になる場合が多いと言えます。

弁護士基準で請求できるその他の賠償金

そのほか、加害者側に請求できる賠償金として次のものが挙げられます。

  • 付添看護費
  • 装具・器具費用
  • 将来介護費
  • 家屋改造費
  • 葬儀費

これらの費用を受け取るためには、特定の要件を満たしたうえで、相手の保険会社に請求し、交渉する必要があります。ただ待っているだけで保険会社から支払われる…といことはほとんど無いと言ってもよいでしょう。

しかし、被害者の方からすると、何をどのように請求したらよいのかわからないと思います。弁護士にご相談いただくことで、こうした費用についても漏れなく保険会社に請求することができます。
こうしたことの積み重ねで、弁護士が入った場合に被害者の方が受け取る最終的な賠償金は、保険会社の提示額の数倍になることもめずらしくないのです。

弁護士基準による増額事例

交通事故の慰謝料・賠償金が、弁護士基準によって増額した事例をご紹介します。
実際にアズール法律事務所に保険会社との交渉をご依頼いただいた最近の事例ですので、慰謝料などの賠償金がどのように増額するのかが確認できると思います。

弁護士基準による増額の事例① 脊髄損傷(5級2号)

自動車に追突されて脊髄損傷の重傷を負ったAさん(59歳)は、長期間の治療・リハビリの後も下半身麻痺の後遺症が残ってしまいました。5級2号の後遺障害等級に認定された後、保険会社から慰謝料などの提示がありましたが、十分な金額ではありませんでした。

そこでアズール法律事務所が弁護士基準で交渉し、当初はゼロだった将来介護費や住宅改造費も認められ、結果として2倍近い賠償金が獲得できました。

  保険会社の提示額 弁護士基準での獲得額
治療費等 約1377万円 約2220万円
休業損害 約353万円 約400万円
傷害慰謝料 約232万円 約232万円
後遺障害慰謝料 約1200万円 約1400万円
逸失利益 約2135万円 約4146万円
将来介護費 約1441万円
将来治療費 約84万円
将来雑費 約32万円
自宅改造費 約647万円
合計 約5299万円  約9796万円
※いずれも過失割合については考慮していない金額です

弁護士基準による増額の事例② 胸椎圧迫骨折(11級7号)

自転車に乗っているところを自動車に追突されてたBさん(41歳)は、第12胸椎の圧迫骨折というケガを負いました。治療後も背骨に変形が残ったため、11級7号の後遺障害に認定されました。

保険会社からの提示された示談金では逸失利益を少ししか認めていませんでした。しかしアズール法律事務所が弁護士基準で交渉することで大幅に増額し、結果として約2倍の賠償金を獲得することができました。

  保険会社の提示額 弁護士基準での獲得額
治療費等 約124万円 約136万円
休業損害 約26万円 約26万円
傷害慰謝料 約118万円 約120万円
後遺障害慰謝料 約336万円 約400万円
逸失利益 約215万円 約1072万円
物損 約5万円 約5万円
合計 約827万円 約1761万円
※いずれも過失割合については考慮していない金額です

弁護士基準による増額の事例③ 頚椎骨折(併合11級)

バイクに乗っているところを自動車に追突されてたCさん(53歳)は、首の骨(頚椎)を骨折するなどの大ケガを負いました。治療後も骨の変形が残ったことから後遺障害(併合11級)が認定されました。

保険会社からの提示された示談金では逸失利益はゼロでした。首の骨の変形は収入には影響しないという判断です。そこでアズール法律事務所が「弁護士基準」で交渉すると、約500万円の逸失利益が認められました。結果として賠償金は2.5倍以上に増額したのです。

  保険会社の提示額 弁護士基準での獲得額
治療費等 約23万円 約23万円
休業損害 約10万円 約13万円
傷害慰謝料 約66万円 約141万円
後遺障害慰謝料 約331万円 約420万円
逸失利益 約503万円
合計 約430万円 約1100万円
※いずれも過失割合については考慮していない金額です

まとめ

「弁護士基準」とは、被害者の方が本来受け取るべき慰謝料などの目安として、これまでの裁判例をもとに作られている「基準」です。「弁護士基準」で計算すると、保険会社が独自に定めている「基準」にくらべて、ほとんどの場合で賠償金は高額になります。

交通事故を専門に扱う弁護士に、保険会社との交渉を依頼すれば「弁護士基準」の賠償金を受け取ることができます。弁護士費用を差し引いても、被害者の方のメリットが大きくなるケースが大半です。
交通事故の被害に遭ってしまったことはやり直せませんが、これ以上後悔をすることのないよう、ぜひ弁護士に相談してみてください。